多趣味おばちゃん 小学校教員のメモ

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「絶対の道徳なんて無い」で終わっちゃだめだ1・・・萱野稔人氏の言葉「私達は道徳を手放せない」

 

苫野一徳氏の「ほんとうの道徳」を読んで以来、

絶対の道徳なんて無い。 絶対に「正しい」「よい」ということは、無い。

と思って過ごしていたら、

 

たまたま読み返した本、萱野稔人氏(哲学博士)が書いた上記の本に釘付けになりました。長いですが引用します。

P128

…道徳を普遍的なもの、完璧なものにできなかったからといって、私たちが道徳を捨てるわけじゃないということのほうだ。本当に考えるべきは、道徳を普遍的なものにできるかできないかということでなく、普遍的かどうかは分からないにもかかわらず私たちは常に道徳的に行動してしまうという現象のほうなのである。

(中略) 「なぜ人を殺してはいけないのか」という質問に私たちが答えられなかったとしても、その質問をしてきた子どもが人を殺すようになるわけではない。つまり、理由があろうとなかろうと、私たちは道徳に従ってしまうということである。

(中略) 物事を哲学的に考えるということは、道徳的な問題の是非を突き詰めるということではない。哲学の立場というのは、その道理や道徳がいったいどこから生まれてきて、どんな姿で私たちの中に存在するのかということを模索することにほかならない。

 

 …言われてみればそうだ。

普遍的な道徳かどうかはわからない、あるいは、普遍的な道徳なんてないといいながら、

私たちは、道徳的に生きている。道徳を手放せないんだ。

 

なぜだろう。。。また疑問が一つ浮かぶ。