道徳科における「学び方」~Eテレ「Q」を参考に~
私の勤務校では月に一回程度、「授業づくりの会」という教員の主体的な研修が放課後20分間くらいあります。(任意参加。)
特別支援の地域コーディネーターが漢字学習について語ったり、
6月には私が「ミニノート小テスト法」を中心に語ったり。
考案した「ミニノート小テスト」。ミニノートを買わなくても、普通の国語ノートの端っこを使えばできる。
— しょ@小学校♪母♪作曲♪漢字 (@Obachandoeeeesu) 2019年8月1日
ゆくゆくは、「先生(からの)問題」も無くしたい。
自分で範囲を決めて、
自分で覚えたいものを覚え、
翌日に自分でチェック!
自立した学習者を育てたい!#漢字 #漢字学習 #漢字指導 pic.twitter.com/6J0REezZaK
今回は研修主任が「放送教育」について語りました。
(この方は、私が以前ブログに書いたこともある、「苫野一徳」「教育の力」を知っておられた同僚で唯一と思われる例のお方なのですが、
道徳をはじめ学習指導全般に精通しておられ、実は長年、放送教育を研究されています。
なんと、全国の学校に配布されるNHK for schoolの冊子やHPの「先生のためのページ」にも実践例が掲載されています。)
その方が紹介されたのが、私も大好きな「Q~Philosophy for children~」です!
https://www.nhk.or.jp/sougou/q/
第1話を教員みんなで見ました。15分、釘付けです。皆さん初めて知ったようでした。
そこで改めて気づきました。現場は忙しく、よほど興味をもった人でない限り、10分、15分の番組だけど、普段は見ないのです。
(・・・でも大丈夫です!「あらすじを読む」を押してください。
「チャプター」の右にあります。
動画を見なくても、内容が結構詳しくわかります。1分で読めます!)
今回紹介され、「こども哲学」「哲学対話」の本校での認知度は一気に上がりました!!!
・・・さて、肝心の内容なのですが、
「なんで勉強しなきゃいけないの?」「カッコいいってどういうこと?」などの身近な疑問、(分かっていそうでよく分からない、考え甲斐のある疑問ですよね)が各回のお題となっており、
2人が問答しながらそれについて考えをふかめていくものです。
そして各回には「Qワード」というものがあり、「なんで?」「そもそも」「反対に」というような、物事をより深く考えられるようになる、手助けとなる言葉が紹介されています。
こちらの scene 11 (10分15秒あたり)に 「Qワードおぼえうた」というのもがあり、それにつまっています。
https://www.nhk.or.jp/sougou/q/?das_id=D0005180287_00000
なんで? ほかの考えは? 反対は? もし~だったら? そもそも? 立場をかえたら? たとえば? くらべると?
QQQQQ Qワード きみの疑問(ぎもん)を ほり下げてみよう
なんで? 理由をさぐってみる
ほかの考えは? いろんな考えを出してみる
反対は? あえて逆(ぎゃく)で考える
もし~だったら? 仮説(かせつ)を立ててみる
そもそも? 前提(ぜんてい)からうたがってみる
立場をかえたら? だれかの気持ちになってみる
たとえば? 具体的(ぐたいてき)にあげてみる
くらべると? ちがいはどこかさぐってみる
なんで? ほかの考えは? 反対は? もし~だったら? そもそも? 立場をかえたら? たとえば? くらべると? QQQQQ Qワード きみの答えを ほり当ててみよう
変化が激しく、価値観が多様化した現代、
答えのはっきりしない問いについて自分(たち)で考え見出していく力はますます必要となり、
だから、学校教育全体でも、道徳の授業でも、そのような機会を大切にしてその方法を身に付けられるようにしたいし、指導要領にもそのようなことが書いてあるのですが、
この「Qワード」はその方法を身に付けるための鍵になる具体的なものだと思うのです。
「思考ツール」「シンキングツール」と似ています。
使いこなせるようにすれば、自分(たち)で思考が深められる。
先日、東京書籍の「タマゾン川」の授業をさせていただいた時、
「『なぜ』と問いながら深めよう」をサブめあてにして行いました。「『なぜ』のギアを上げていこう」と言いながら、子どもたちから出た意見を一歩深めていきました。
・・・「なぜ」と問うことは当たり前のように授業でしていることです。
「学び方」が身につくように道徳授業を行っていく、ということです。
他教科では
例えば算数で「図に表して考える」「例えば分数の代わりに整数を当てはめて考えてみる」のような学び方はよく教えますよね。(山大附属光小学校によく行っていた頃のことを思い出します。10年以上前、当時は「追究スタイル」と読んでいましたが、現在はどうなのでしょう。)
「もし」「例えば」「逆に」などの話し始めのキーワードもよく指導します。(あ、これって「Qワード」ですね!!)
道徳科でも「自分と比べて振り返る」は毎時間のようにしていると思うので、学び方として児童は意識していて定着もしていると思います。
それ以外の学び方ももっと意識させたい、その手始めとして「Qワード」を使ってみてはどうか、というのが私の主張です。