同じ内容項目の教材は、「プレゼント」があります。生まれた頃の話を誕生日に母親から聞く話でした。私が娘を出産した時の話もしました。
「道徳コーナー」には
テーマ「いのち」、ここまで育ったのは「当たり前ではない」、いのち・愛情がプレゼントだと書き、私が出産した時の写真を貼りました。
今回はそれを進化させて、「いのち」についてみんなで『心の宝物』を見つけようね、という導入をしようと思っていましたが、
私がそれを失念しておりました。
この内容項目は、
〔第1学年及び第2学年〕 生きることのすばらしさを知り,生命を大切にすること。
です。前回の教材は「誕生」「生まれた頃の家族の思い」という側面が強く、今回は「生きているということ」の側面が強いと捉えました。
「自分の好きなもの・こと」を切り口に「生きることのすばらしさを知り」という部分の具体を考える授業にしようと思いました。
導入は教科書どおり「生きていると感じる時はどんな時ですか」にしました。
C 高い所から落ちて、目が覚めて、「あ、死んでいない」と思った時
C やけどして熱いと感じた時
など、「似ています」「同じです」で話がどんどんつながって出てきたのはうれしくもあり、しかし、時間をかけすぎたのは反省です。(怪我自慢のような雰囲気にもなりかけていた。)
C おばけの夢から覚めた時
C 見える・泣く・動ける・感じる
という意見もでました。なるほど~という反応もありましたが、「よくわからない」という反応も多かったです。
「『生きている』って、当たり前のようだから、特に何も考えもしないからかな」というまとめで一旦おいて、教材分の主人公はどんな「『生きている』感じ」をもっているのかなと投げかけて読み聞かせへ。
そして今回は、「マインドマップ」を描く活動を入れました。
「生きている」から「好き」につなぎ、その先を広げていきました。
主人公を例にして黒板でやって見せ、その後各自がしました。
その後、「(好きなものだけでなく)気持ちを書き込もう」と投げかけ、「なりたい」「したい」につなげました。
マインドマップは想像以上に夢中になって書いていましたが、上記の「気持ち」につなげるのは難しかったようで、黒板の例を真似して、自分の図に「したい」「なりたい」を書き込んでいました。
振り返りは、「『生きていること』について、考えたこと、気づいたことを書こう」としました。
「生きているって、うれしいんだな」
「生きているからできるんだな」
という記述が多く見られました。
発表で「生きているってすごいんだな」と言った子に、「どんなところがすごいと思ったの?」と聞くと、答えられませんでした。
そのときに、「〇〇さんの言いたいこと、何となく分かるよっていう人」と返し、他の子が言うようにすれば深まったなと今思います。
私が「先生は何となく分かるよ、こんなにたくさん『好き』があって、したいこと、なりたいものもあって、うれしいもんね。生きているからだもんね。」と言って終わりました。
以下、その他の記述です。
「最初は『生きている』って言ってもよく分からなかったけど、授業で考えてよかったです。」
「ぼくってこんな人間なんだ。」
「好きや夢があると、これから生きたいと思えると分かりました。」
「最初は当たり前と思っていて、でも、『好き』からいっぱい『もの』『人』のことが出てきて、いいな~と思いました。とても勉強になりました。」
「生きているのは当たり前じゃない。」、
「当たり前のことは、当たり前じゃない!」と書いている子もいました。
「当たり前じゃない」は以前の教材「プレゼント」で道徳コーナーに書いたことです。
こちらが何も言わなくてもそれに結びつけていることに驚きましたし嬉しく思いました。
が、今回の学習でどのあたりから「当たり前ではない」と思ったのか、問い返してみたかったです。今日にでも聞いてみたいと思います。
・・・「似ています」など「つなげて発表」するようになると、話し合い(発表し合い)が長くなるようになりました。嬉しいことですが、その分、自分のマネジメント力が問われます。今回も時間不足となってしまったので、そこを特に意識していきます。
追記2020/10/20
また、今回はあえて「『ぼく』のことが一番好き」「自分の存在そのものの尊さ」ということにはあまり深入りしませんでした。なぜなら、上記の活動と問いを通して、同時にそのことに間接的に触れることとなり、改めて気付くことができると思ったからです。
しかし、マインドマップに「好き」から「ぼく」「わたし」を書いている子はいませんでした。
あえて私が黒板での例示に書かなかったことが影響したと思います。
マインドマップに自分の好きなもの、ことを書くのに夢中で、「自分のことが好き」という教材文の主張は、たとえ読後は心に残っていたとしても長くは心にとどまっていなかったということです。
それならそれで、最後に、私が「先生は『自分』も書いたよ」と紹介し、好きな『自分』から矢印を出して、初めからあった「生きている」につなげることもできたなと思います。
P80の「自分への賞状」もしませんでした。P24の6「ありがとう、りょうたさん」【個性の伸長】で、似たことをしたからです。
別件で、生きている実感や喜びを、「いのちがふくらむ」とか「生き生き 生きる」等と印象的な短い言葉でまとめるのもよかったなと思います。
それを教師が胸のうちに持った上で、子どもたちの言葉から引き出せたらなと思います。
集約って奥深いですね。