多趣味おばちゃん 小学校教員のメモ

気が合う人、教育について語り合おうぞ!学習ソングも作曲中。

九九 盛り上がり持続+個別最適「乗るーティーン」

note.com

 昨年度、2年生を担任した際に行った実践を基に、今なら1人1台PCを使ってもっとこんなことができるなということを織り混ぜて書きます。(ちなみに2年生担任は3度目でした。)

1 かけ算の意味理解
 身の回りのものからかけ算になっているものを見付ける活動で、「カメラ」機能を使い、Teamsに投稿し合い、共有します。端末を持って校内を探し歩いたり、家に持ち帰って見付けてきたり。
 昨年度は端末が配られる前だったので、この活動を紙のノートで行いました。言葉と図で表させて発表させていきましたが、時間がかかります。写真なら一目瞭然です。さらに、写真を見て「式」を答えさせることで、クイズ感覚で楽しみながら定着を図ることができます。

 例  ■■さん投稿の卵 → 5の2つ分だから、5✕2
               2の5つ分だから、2✕5

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2ー① かけ算と、九九を、ノートに書く
 教科書では「九九カードを自作する」活動がありますが、児童の実態から、「ノートに書く」活動に変えました。印を付けたり、書き込んだりがしやすいというのも理由の1つです。

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2ー② 唱える(一斉)
 ・教師の後に児童が復唱
 ・見ながら唱える → 見ずに唱える
 ・全員で唱える、1人ずつ1行ずつ唱える、1人で全部唱える、
  ペアで交互に唱える、部分的に小黒板で隠す 等
 スモールステップ、変化のある繰り返しで、無理なく進めます。

 

2ー③ 「九九合格カード」と「ストップウォッチ」の活用
 
 工夫1:「見て」
 一般的な合格カードは「暗唱」前提ですが、これでは挫折してしまう子がいます。スモールステップで達成感を味わえるようにしたい、その思いから、「見て」というステップを加えました。壁面掲示の表や教科書を「見て」すらすら言えること。これが難しい子もいるのです。

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 工夫2:「13秒」
 「すらすら言えた」という合格の基準を、客観的に判断できる「13秒」としました。(12秒で行った年度もあります。)(13秒台だったら合格としました。正しくは14秒以内です。)
 教室備品のタイマー(カウントアップ機能あり)では足りないので、私物も2個用意し、さらには100円均一でストップウォッチを数個購入して教室に置いておきました。いつでも触ってよいようにし、
 ・自分で計る ・友達に計ってもらう  
  → ・自信がついたら先生に計ってもらう というようにしました。
 こうすることで、「待ち時間」「暇な時間」ができません。
 レベル3まであるので、予習して覚えている子もやりがいがあります。
 また、レベル2まで合格したら、先生役になってもらったりもします。

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2ー④ 九九の歌(オリジナル)動画付き

 「九九合格カード」で合格をめざして練習するのがだんだん苦痛になる児童もいます。また、少し飽きてきたかな…と感じた時、ICTの出番です!
 私が思い切って作曲し作成した動画です。例えばこちら。


 あくまで唱えた後で、歌を使うことをおすすめします。微妙に九九とイントネーションが違うメロディーがあるからです。(できるだけ九九のイントネーションどおりのメロディーになるように作曲しましたが、サブロク18等は違うのです。)
 YouTube再生速度調整の機能を使って、✕0.75、標準、✕1.25、✕1.5と速くしていけば盛り上がります。「カスタム」から微調整もできます。

スクリーンショット (136)

2-⑤ 「感じる九九」プリント
 次の時間は、アレイ図を見せながら九九を唱えて復習をします。
 そして行うのが、このプリントでの学習です。

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 唱えるのとも、アレイ図とも違う、「同じ数ずつ増えていく」様子を視覚的に捉えることができるものです。丸で囲まれた数字の並び方を見て、「これ、線でつないだら斜めになる!」等の気付きも生まれます。
 何より、楽しそうです。

2-⑥ その他 
・教科書に沿って文章題に取り組む。
・家で練習してきて、みんなの前で1人で言いたい子に発表の機会を与える。
・九九カードで ①段ごとに(順に→混ぜて) ②既習の段と混ぜて

 そして、また、授業内で「九九合格カード」の練習時間、チャレンジ時間を取ります。

 上記2ー①から⑥の学習の流れを、各段で、2時間で行います。見通しがもてるのか、説明しなくても進んで行うようになりました。

3ー① 「クイズレット」
 九九合格カードを使っての学習も、九カードをめくる学習も、プリントも、長く続ければ中だるみしてしまうことがあります。また、1人では唱える練習をするのが難しく、個別指導が必要な子もいます。それらを解決するために、1人1台端末で「クイズレット」をするのはいかがでしょうか。だんだんタイムが短縮されていくので、得意な子もそうでない子も向上感を得ることができます。

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6のだん マッチモード
https://quizlet.com/624029831/match
7のだん マッチモード
https://quizlet.com/624030671/match

6~8のだん マッチモード
https://quizlet.com/551345972/match

また、得意な子には「答えを見て、式を答える」というものも作りました。
6のだん しきをこたえる 学習モード
https://quizlet.com/624043910/learn

2✕7なのか、7✕2なのか、式の意味理解を定着させるもの
かけ算 図としき
https://quizlet.com/551353595/match

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 九九学習の授業が終わった後も、定着のためには繰り返し巻き返し行っていきます。もちろん従来のカードやプリントも使いますが、不器用でカードをめくるのが嫌いな子、書くことや唱えることに抵抗がある子、もっと難しい問題にチャレンジしたい子、7,8の段でつまずいている子、等、個に応じた指導を行う1つの手段として、大いに活用できると思います。