九九 盛り上がり持続+個別最適「乗るーティーン」
昨年度、2年生を担任した際に行った実践を基に、今なら1人1台PCを使ってもっとこんなことができるなということを織り混ぜて書きます。(ちなみに2年生担任は3度目でした。)
1 かけ算の意味理解
身の回りのものからかけ算になっているものを見付ける活動で、「カメラ」機能を使い、Teamsに投稿し合い、共有します。端末を持って校内を探し歩いたり、家に持ち帰って見付けてきたり。
昨年度は端末が配られる前だったので、この活動を紙のノートで行いました。言葉と図で表させて発表させていきましたが、時間がかかります。写真なら一目瞭然です。さらに、写真を見て「式」を答えさせることで、クイズ感覚で楽しみながら定着を図ることができます。
例 ■■さん投稿の卵 → 5の2つ分だから、5✕2
2の5つ分だから、2✕5
2ー① かけ算と、九九を、ノートに書く
教科書では「九九カードを自作する」活動がありますが、児童の実態から、「ノートに書く」活動に変えました。印を付けたり、書き込んだりがしやすいというのも理由の1つです。
2ー② 唱える(一斉)
・教師の後に児童が復唱
・見ながら唱える → 見ずに唱える
・全員で唱える、1人ずつ1行ずつ唱える、1人で全部唱える、
ペアで交互に唱える、部分的に小黒板で隠す 等
スモールステップ、変化のある繰り返しで、無理なく進めます。
2ー③ 「九九合格カード」と「ストップウォッチ」の活用
工夫1:「見て」
一般的な合格カードは「暗唱」前提ですが、これでは挫折してしまう子がいます。スモールステップで達成感を味わえるようにしたい、その思いから、「見て」というステップを加えました。壁面掲示の表や教科書を「見て」すらすら言えること。これが難しい子もいるのです。
工夫2:「13秒」
「すらすら言えた」という合格の基準を、客観的に判断できる「13秒」としました。(12秒で行った年度もあります。)(13秒台だったら合格としました。正しくは14秒以内です。)
教室備品のタイマー(カウントアップ機能あり)では足りないので、私物も2個用意し、さらには100円均一でストップウォッチを数個購入して教室に置いておきました。いつでも触ってよいようにし、
・自分で計る ・友達に計ってもらう
→ ・自信がついたら先生に計ってもらう というようにしました。
こうすることで、「待ち時間」「暇な時間」ができません。
レベル3まであるので、予習して覚えている子もやりがいがあります。
また、レベル2まで合格したら、先生役になってもらったりもします。
2ー④ 九九の歌(オリジナル)動画付き
「九九合格カード」で合格をめざして練習するのがだんだん苦痛になる児童もいます。また、少し飽きてきたかな…と感じた時、ICTの出番です!
私が思い切って作曲し作成した動画です。例えばこちら。
あくまで唱えた後で、歌を使うことをおすすめします。微妙に九九とイントネーションが違うメロディーがあるからです。(できるだけ九九のイントネーションどおりのメロディーになるように作曲しましたが、サブロク18等は違うのです。)
YouTubeの再生速度調整の機能を使って、✕0.75、標準、✕1.25、✕1.5と速くしていけば盛り上がります。「カスタム」から微調整もできます。
2-⑤ 「感じる九九」プリント
次の時間は、アレイ図を見せながら九九を唱えて復習をします。
そして行うのが、このプリントでの学習です。
唱えるのとも、アレイ図とも違う、「同じ数ずつ増えていく」様子を視覚的に捉えることができるものです。丸で囲まれた数字の並び方を見て、「これ、線でつないだら斜めになる!」等の気付きも生まれます。
何より、楽しそうです。
2-⑥ その他
・教科書に沿って文章題に取り組む。
・家で練習してきて、みんなの前で1人で言いたい子に発表の機会を与える。
・九九カードで ①段ごとに(順に→混ぜて) ②既習の段と混ぜて
そして、また、授業内で「九九合格カード」の練習時間、チャレンジ時間を取ります。
上記2ー①から⑥の学習の流れを、各段で、2時間で行います。見通しがもてるのか、説明しなくても進んで行うようになりました。
3ー① 「クイズレット」
九九合格カードを使っての学習も、九カードをめくる学習も、プリントも、長く続ければ中だるみしてしまうことがあります。また、1人では唱える練習をするのが難しく、個別指導が必要な子もいます。それらを解決するために、1人1台端末で「クイズレット」をするのはいかがでしょうか。だんだんタイムが短縮されていくので、得意な子もそうでない子も向上感を得ることができます。
6のだん マッチモード
https://quizlet.com/624029831/match
7のだん マッチモード
https://quizlet.com/624030671/match
6~8のだん マッチモード
https://quizlet.com/551345972/match
また、得意な子には「答えを見て、式を答える」というものも作りました。
6のだん しきをこたえる 学習モード
https://quizlet.com/624043910/learn
2✕7なのか、7✕2なのか、式の意味理解を定着させるもの
かけ算 図としき
https://quizlet.com/551353595/match
九九学習の授業が終わった後も、定着のためには繰り返し巻き返し行っていきます。もちろん従来のカードやプリントも使いますが、不器用でカードをめくるのが嫌いな子、書くことや唱えることに抵抗がある子、もっと難しい問題にチャレンジしたい子、7,8の段でつまずいている子、等、個に応じた指導を行う1つの手段として、大いに活用できると思います。
WindowsタブレットPC GIGA奮闘記 低学年 リンク集あり
こちらに、R2、R3の実践を15記事アップしました!
クイズレットやFormsのことは、noteだと「埋め込み」がうまくいかないので、こちらに埋め込んでおきます。
https://quizlet.com/593816807/match
[http://:title]
1年生 10までの数。ドットの数がぱっと分かるのは大切です。
これまでは紙でやっていましたが、デジタルなら、○以外の絵の図が簡単に作れます。実際には鳩やカエルも使いました。
「どうして全部見せていないのに7と分かったの?」「だって、下の段が2だから、5と2は7。」そんなやりとりが楽しいです。□を逆から動かしたり、上へ動かしたり。
けれど、これを毎日していたのでは、得意な子が先に言うのを聞いてリピートする子が、自分のペースで練習できません。そこで、やはり、1人1台端末でのクイズレット利用の必要性が出てくるのです。
今年度は下のカードを印刷して配ることもしませんでした。
その他の共有できるファイルを下に紹介します。
健康観察テンプレート
<iframe width="640px" height= "480px" src= "https://forms.office.com/Pages/ResponsePage.aspx?id=DQSIkWdsW0yxEjajBLZtrQAAAAAAAAAAAAO__a6MEH1UQklROTVUU1VMMEg0Wk9YSDNOTkpBRFdJQi4u&embed=true" frameborder= "0" marginwidth= "0" marginheight= "0" style= "border: none; max-width:100%; max-height:100vh" allowfullscreen webkitallowfullscreen mozallowfullscreen msallowfullscreen> </iframe>
かけ算の立式
<iframe width="640px" height= "480px" src= "https://forms.office.com/Pages/ResponsePage.aspx?id=DQSIkWdsW0yxEjajBLZtrQAAAAAAAAAAAAO__a6MEH1UMDFYVEZGOUVKRjQwQU0yTzI5WTBFSUdNNS4u&embed=true" frameborder= "0" marginwidth= "0" marginheight= "0" style= "border: none; max-width:100%; max-height:100vh" allowfullscreen webkitallowfullscreen mozallowfullscreen msallowfullscreen> </iframe>
最近参照した記事はこちらです。
1.スクラッチ(ビジュアルプログラミング)
hhttps://scratch.mit.edu/projects/editor
・例 2年音楽科「くりかえしてリズムをつくろう」
https://scratch.mit.edu/projects/235183011/
・参考:未来の学びコンソーシアム
https://miraino-manabi.jp/example/b
2.ビスケット(ビジュアルプログラミング)
3.生活科・理科 大日本図書「おおきくなあれ」
https://www.dainippon-tosho.co.jp/yagi/index.html
4.啓林館 わくわく算数「スマートレクチャー」
5.スクールアートやまぐち (鑑賞にお役立ち)
http://www.ysn21.jp/art/2010a/r-e2/index.html
https://shien.ysn21.jp/teacher/school_art/index.html
スタディーエックス スタイルStuDX StyleGIGAスクール構想を浸透させ学びを豊かに変革していくカタチ
https://www.mext.go.jp/studxstyle/
ロイロノート・スクール実践事例集
ミライシード実践事例集(ベネッセ)
https://miraiseedfansite.benesse.ne.jp/
https://www.microsoft.com/ja-jp/biz/education/gigaschool-make-good-use.aspx
【大好評授業企画】 元教師社員がいますぐ使える Teams ワザを伝授 ー Microsoft Teams | 日本マイクロソフト
小金井市立前原小学校がチャレンジ! 従来の枠組みを変える新しい学びの形 (1/3):EdTechZine(エドテックジン)
Google Workspace for Education失敗談⑦
— T先生 (@mechosense) 2021年4月17日
初めてGoogleフォームでテストを作った時、記述式で算数の答えを子どもに書かせて自動答えあわせにしたら、全角数字と半角数字で正誤判定が変わってしまった。
なので、ここの記述は数値チェックが必要です。#GIGAスクール
今日はついにiPad開きをした。教員と子ども全員がiPadを手に授業。そしてこれからうちの自治体はAppleクラスルームが使えるようにもなるらしい。これはデカイ。
— 坂本良晶(さる@小学校教師) (@saruesteacher) 2021年4月19日
教室にAppleTVも入るし、3年前には想像もつかなかったことが公立学校で起こりつつある。Appleヤッホイ。 pic.twitter.com/tbD3xGaY0Z
今日はSiri初めをした。
— 坂本良晶(さる@小学校教師) (@saruesteacher) 2021年4月22日
さまざまな使い勝手を教えたら、図書委員会の仕事の当番を忘れないようにとSiriでリマインダーをセットする子が。ビジネスマンかよ。 pic.twitter.com/EzO26MnwzA
日本の果て、択捉島、南鳥島、沖ノ鳥島、与那国島について好きな島を一つ選んで調べて伝え合う(プレゼンではなくカードを繋げてお互いに配信)という課題。
— 坂本良晶(さる@小学校教師) (@saruesteacher) 2021年4月23日
GIGAがスタートして、授業作りが最高に楽しくなってきたんですけど。 pic.twitter.com/I7GDNsypKP
画像は載せられませんが、昨日の一年生を迎える会の後、振り返りをオクリンクのカードに全員が書いて提出、お互いに読み合うことができる状態に。すごく良い雰囲気だった。
— 坂本良晶(さる@小学校教師) (@saruesteacher) 2021年4月23日
そのまま全員分の振り返りを学級通信に載せる予定。行事ごとにこれやりたい。特活×GIGAは相性が良い。
なわとびカードの電子化に成功。子供たちのタブレットに配って運用していく。6年間ずーっと使えるスタイルになったぞー。 pic.twitter.com/rDC3gtlmII
— よしの とおる (@tohruyoshino) 2021年5月4日
本でも書いたけど、ここまでクローズアップされたなら、遅かれ早かれこの問題はクリアされるはず。事実、僕全然プリントの印刷とかしてないし、コメントも書くよりタイピングが増えてる。
— 坂本良晶(さる@小学校教師) (@saruesteacher) 2021年5月9日
確実に良くなってきてる。 pic.twitter.com/hrFjku778f
chromebook活用推進担当という新しい校務分掌を拝命したので、これまでの実践の経験や感覚、聞き取りなどを基にして、その学年で最低限経験させたいことを表にしてみた。校内で実際にやってみてもらいながら随時修正していく。こういうのは一度形にしないと何も始まらない。#一人一台日記 pic.twitter.com/D2dKnJYPTX
— 松村英治@小学校教員 (@EijiMatsu725) 2021年5月15日
漢字音読(新出漢字を習う前に読めるよにしておく課題)のテストをボイスメモで録音してTeamsの『課題』を使って提出させて評価する方法を取ってるんですが、かなり有用。
— 坂本良晶(さる@小学校教師) (@saruesteacher) 2021年5月20日
コロナ対策をするとともに、子どもの表現した時と評価のタイミングをずらせるのは大きい。
疲れた。
【授業とICT】
— 中野裕己@小学校国語×対話×ICT (@yuuuuki0430) 2021年5月23日
大きく2パターンの方法が考えられます。
①自由度の高い活用
→『ロイロノートで考えをまとめましょう』などと,大枠だけを示して活用を促す
②ピンポイントの活用
→『ロイロノートで送られてきたシンキングツールに考えをまとめましょう』などと,細かい指示で活用を促す
→続く
【高学年外国語:デジタルふり返りシート】
— nin@小学校英語専科×GIGA (@nin222) 2021年5月24日
CanDoリストと振り返りの2枚のシートからなるGoogleスプレッドシートを作成し、授業後に記入して提出。
次の授業までに返却し、次の授業後に書き足して再提出。
これを繰り返し学習履歴を積み上げていきます。
毎時間の配布・回収がなくなりかなりGOOD! pic.twitter.com/7xeqDsVsbt
デジタル振り返りシートの作成方法の詳細をブログにまとめました。興味のある方はぜひ。
— nin@小学校英語専科×GIGA (@nin222) 2021年5月28日
はてなブログに投稿しました #はてなブログ
振り返りシートをGoogleスプレッドシートでデジタル化 - E-Lab. 〜小学校英語専科教員のブログ〜https://t.co/V3GINcfIaW
音読テストの評価・フィードバックについて。
— yama.hiro (@zaki_ki_1128) 2021年5月29日
ロイロノートで評価表を配布しておき、そのシートに直に録音してもらうようにします。これなら教師はそこに評価やコメントを書き込みできるし、返却すれば生徒もすぐに確認ができる。記録に残す評価の方法として便利です。 pic.twitter.com/4E1nai8oIF
【外国語×ICT デジタルワードリスト】
— nin@小学校英語専科×GIGA (@nin222) 2021年5月29日
以前ツイートしたGoogleスライドを用いたデジタルワードリストの作り方動画です。
以下の2点は特に注意が必要です。
①音声データはmp3かwavで用意
②音声データは児童にも聞けるように共有設定を#GIGA英語 pic.twitter.com/GPuStJhTr0
google classroomのルーブリックでパフォーマンス評価を返す方法もあるけど、この方が評価のしやすさとか見やすさは良さそうですね(^^) https://t.co/oFyYXZcpUO
— nin@小学校英語専科×GIGA (@nin222) 2021年5月30日
【心温まるジャムボードの使い方】
— スン📚1日2時間本読む先生 (@toniyakko) 2021年6月1日
❶ジャムボードを開く
❷今まで言われて嬉しかった「ポカポカ言葉」を3分思い付くだけ書く
❸皆で音読する
❹「ポカポカ言葉」でいっぱいのクラスにしたいねと締め括る
若手の先生から教えてもらった。
明日やってみよう。
(写真はジャムボードのイメージ写真) pic.twitter.com/Z7Yb2Bdsc1
今日の代表委員会は、自分たちで立ち上げた4チーム(キャンペーン・ポスター・踊り・SNSルール制定)に分かれての活動。決まったことをスクールタクトで随時シェア。6年生がどんどん使うところを見せることで、ICT活用はいろいろな学年に広がっていく。 pic.twitter.com/nrAZqbOMSE
— 松村英治@小学校教員 (@EijiMatsu725) 2021年6月1日
【6年unit2 クラスの宝島をつくろう!】
— nin@小学校英語専科×GIGA (@nin222) 2021年6月1日
宝物紹介はJamboardをコピーして配布して、宝物を紹介しながら友達の宝物を集めてクラスの宝島づくりをしようと思います。#GIGA英語 pic.twitter.com/tzKPK7ZcrW
色んなアプリ使ってきたけど、iMovieが表現へのモチベーションアップに最も繋がってると感じる。YouTuberがなりたい職業一位になる時代、簡単に同じような表現ができるのだから当然かもしれない。このピクチャ・イン・ピクチャ機能で簡単にワイプを入れることができます。 pic.twitter.com/z5GP89roir
— 坂本良晶(さる@小学校教師) (@saruesteacher) 2021年6月3日
「挙手・発言」という形態以外でも意見交流や学び合いはできる。ノートの読み合いや付箋の活用、スクールタクトなどのICTを使えば、クラス全員にその機会を保障できる。「うちのクラスは発言が少なくて困っている」と嘆く人に限って方法が発言一択しかない気がする。目的達成のためには方法を柔軟に。
— 松村英治@小学校教員 (@EijiMatsu725) 2021年6月3日
【5年生U2小テスト】
— nin@小学校英語専科×GIGA (@nin222) 2021年6月4日
終盤に差し掛かった5年生はGoogleフォームを使った小テストを実施
先生の話を聞いて答えます。
回答後すぐに各自で間違った問題を確認できるのがいい😊
また、全体の傾向を掴み、教師から全体へのフィードバックも返しやすい。
効率的・効果的な形成的評価へ#GIGA英語 pic.twitter.com/kJ65dzUknU
#中学英語 でも、単語テストをGoogleフォームで実施中。
— 江澤 隆輔@中学英語スピーキング本執筆中 (@ezawaryusuke) 2021年6月4日
今まで33問×60人分で、単元ごとに約2000回近く採点してた。
すべての単元でやるから、年間10,000回以上。
これをすべてGoogleフォームへ。
すぐに点数わかるし、正確。クラウド上で分析もされる。生産性高すぎる。 https://t.co/Vd3wubSQm3
単語帳アプリQuizletの既存の単語帳を使えば時短になりそうです。音声も聞けます。こちらは作りかけのファイルですが、探せば既存のは出てきます。 https://t.co/R0XkERPY2Q https://t.co/t7yEvFFCcs
— しょ@母♪小学校♪作曲♪学習ソング♪漢字 (@Obachandoeeeesu) 2021年6月1日
アプリを開発していった経緯一ヶ月がリアルにわかり、そういう意味でも有難く貴重です。ありがとうございます!! https://t.co/uVpAXwn0sG
— しょ@母♪小学校♪作曲♪学習ソング♪漢字 (@Obachandoeeeesu) 2021年3月20日
研修主任の市の研修会にてワクワクが止まらなかった件
市内の研修主任や学力向上担当が集まる「学力向上推進委員会」なる会議に初めて参加してきました。
実は、「全学調の結果を考察して対策を講じよ」等を指導されるのかと半ばビクビクしながら行ったのですが、杞憂でした。
ホッとしました。いえ、ワクワクが止まりませんでした!
その1 「授業観を変えよう」
課長も、指導主事も、こうおっしゃいました。
「授業観を変えよう」「そこにエネルギーを注ごう」
「学力向上推進委員会の『学力向上』とは、『授業力向上』と言い換えてもよい」
「学力向上=ドリルではない」
…これまでは、「そうは言っても、結局は点数を求めているのだろう」と思っていました。が、そうではない。
真に「子どもが主役の授業」、「真の学力」向上を求められているのだと分かりました。
目の前にある教科書、カリキュラム表。プラス、中学では受験。
それとどう折り合いを付けながら、現場で理想を実現していくのか。
そこを追究していきます。実践あるのみです。
その2 「公設塾の設立」
先日から少し聞いていましたが、その具体を、他市での経験がある塾長から直接聞くことができました。
私が数年前、「新しい学校を創りたい」「探究の塾を創りたい」「探究の授業の割合を増やしたい」と思っていた頃のことが蘇りました。
講義を聞きながら、思わずその頃のメモ(デジタルノート)をiPadでを開いて、重なりに深く頷きながら聴きました。
私は子育てとの兼ね合いで諦めたけれど、それが今、美祢市で始まるのだ!そしてそれを立ち上げている指導主事や塾長と、顔やTeamsでつながっているのだと思うと、
ワクワクが止まりません!
そして、「私はやっぱり、探究がしたいのだ、好きなのだ」と気付きました。
「『勉強』というより『学び』」、そうおっしゃっていた塾長。まさにそれを、私は学校現場で少しでも実現しよう、
そう決意した、遠足後の出張でした。
2年「おれたものさし」指導案、指導の実際、成果と課題
5 成果と課題
(1)自評
△ 時間配分に課題があった。中心発問で時間を取り過ぎ、まとめや振り返りがほとんどできなかった。(まとめは、「今日みんなが見付けたことは?」「『道徳コーナー』に何を書く?」と問い、板書の中から選んで個々人が指差すようにし、多くの児童が指差した箇所を示すに留まった。振り返りは「勇気を出して!」の記述が多く、「勇気のもと」に関する思考の深まりを見取るものにはならなかった。)優しさ(自分のことのように思う)と、正しさ・強さ(ひるまずに相手に伝える)で、折れない心、勇気のもとというところをくくりどころとして板書しようと思っていたができなかった。
△ 2回目の役割演技直後に、物さしを渡した後の「ぼく」および「みんな」の心情を問い、「すっきりした、伝えてよかった(モヤモヤからスッキリへ変化)」や、「『ぼく』の行動がかっこいい」等を引き出し、勇気を出して伝えるよさを押さえようと思っていたが、発問を失念してしまった。そのため、「どんな気持ちから渡したか」を繰り返し尋ねたことになり、間延びした。
△ 普段の授業よりも、特に授業後半、児童の参加率が低かった。その原因の1つは前述の間延びだと思う。また、中心発問が難しいと感じる児童が多かったことも原因であろう。
△ 教材文の内容把握が難しい児童が予想どおり多数おり、それに対する手立てが足りなかった。端的に「『ぼく』は、この前は自分のせいにされた。今回は『ひろし』のせいにされているのを見た。そして物さしをのぼるに返した。その時の気持ちは」と問う方法もあった。
(2)協議内容の要点
○ 問い返しにより思考が深まった。
○ これまでの学習の積み重ねが生かされていた。「道徳コーナー」の効果が大きい。
○ 今回のような役割演技の手法、音声の活用が効果的であった。
△ 役割演技はもっと効果的にできたのではないか。無言の役は難しい。気持ちを役の途中で言う方法もある。
○ 笑顔マーク、悲しい顔マークでの視覚化や、マークを動かし重ね「自分とひろしを重ねた」ことを表したことが、児童の理解を助ける上で効果的であった。
△ 「勇気のもと」のまとめが不足していた。
○ ルーティーン(「道徳コーナー」を活用した導入、「なりきりタイム」(役割演技)、「本音さん」での問い返し)があり、児童が学習活動に慣れていた。
○ 受容的な風土が、教師にも児童にもある。
○ 振り返りを「未来の自分へのメッセージ」とすることで、自分ごととして考えることができる。
△ 役割演技で、「役をやりたい」多数の児童がおり、しかし当たった1人以外は落胆の声を上げていた。思いを語る「なりきりタイム」のはずが、心情理解に役立っていない。あらかじめ「見ている子は『まわりの子』の役だよ」等と伝えるとよい。
△ 「思いを語る」という点では、児童のつぶやき「赤の中に青も混じっているよ」を拾って児童に語らせるとよかった。ただし、授業中盤の時間短縮がさらに必要となる。
△ 児童の発言について、教師が語る時間がやや長かった。それを改善すると時間短縮できる。
△ 机間指導が長かった。丸を付けて回り、声をかけて考えを引き出したり価値付けたりすることで、どの児童も考えを書くことができ、自分の意見に自信をもつころができたが、時間配分を改善するにはこの部分の短縮が必要である。例えば毎時間の授業で書く時間を3分と決めてタイマーを鳴らし、その時間に慣れるようにする等の方法が考えられる。
(3)受指導の内容の要点
・ この内容項目は、旧学習指導要領では【正しい判断、勇気】であった。だから、「勇気」という言葉を安易に使うべきではない。しかし、6月の同項目の授業で児童から出た言葉なので、今回はよかった。
・ 【正しい判断】は「気持ち」であり、【勇気】は「行動」のことを表す。今回は【勇気】なので行動についてが中心となるが、なぜ行動ができたのか、行動を起こす時の気持ちが重要となる。「できてすごいよね」ではなく、「~だから勇気は大切だ」「こうやったらできる」ということ、今回は「友達のことも自分のことのように考えたら、勇気が湧く」ということに迫るものだった。
・ 「道徳コーナー」が生かされていた。導入にテーマを明示すると、児童はすぐに同テーマの回を探した。シンプルでよかった。例えば「前にみんなが見つけた宝物は?」と問うのもよい。
・ 「思いを語る」については、本時の全てのシーンがそれだった。児童の発言に建前はなく、全て本音である。
・ そう考えると、問い返しで使用した「本音さん」は、「揺さぶりさん」ということである。
・ さらに児童が思いを語るようになるための手立ての1つは、理由を言わせることであろう。「なぜそう思ったの」と問い返したり、「~です。その訳は、~」という話型を示したりし、言える児童を育てていく。今回は、発言が苦手な児童が多いということで、とにかく一言でも言えるようにとの思いが授業者にあった。児童の実態に合わせて手立てを行うとよい。
・ 授業者は「最後にもう1段高めたかった」と言っていたが、「高める」というよりも「整理する」ことが重要である。例えば、板書で1番納得したところにネームプレートを貼る方法もある。また、「今日のめあてはこれだったよね」「今日の学習で1番自分にとって大切と思ったことは」「今日の黒板を見て気づいたことは」等と問い、振り返りをするのもよい。
・ 児童は、多面的・多角的に考えることができていた。「広がった」「ぶれた」という言い方をする教師もいるが、そうではない。「多面的」とは、内容項目1つについていろいろな見方があるということで、例えば【親切】について、優しくしてあげることが親切だという見方もあれば、優しくしないのが親切だという見方もある。「多角的」とは、他の内容項目と関連させることで、例えば今回は【友情】【公正・公平】【親切】【正直】などの側面からも考えた。本時は特に多角的な見方ができていた。
・ 児童の発言に「前のぼくみたいにさせたくない」というものがあり、それが話合いの核となった。
・ 中心発問の難易度の問題、時間不足の問題を解決する代案としては、問い返しではなく中心発問を「前回は自分のことだった。今回は友達のことだったのに、なぜ物さしを渡せたのか」とすること、つまり初めから狭い範囲の発問にすることが挙げられる。
(4)課題の解決に向けて
・ そもそも今回は「よいと思ったことをするのは、どんな気持ちからか」「よいと思ったことをするのに必要なもの」に焦点を当てた授業だったので、前述の「物さしを渡した後の『ぼく』およびみんなの心情を考えるための役割演技(2回目)と発問は不要だったのではないか。そうすれば時間配分が改善できたと考える。
・ 中心発問について記述をさせたが、「自分ではないのになぜできたのか」という問い返しについての考えを書かせたかった。少しでも書き加える時間を取る、または、前述の受指導の中にあったように、中心発問自体を変えるという方法も考えられる。
(5)「道徳コーナー」の活用の実際と成果
指導案で述べたように、導入と展開後半において、同テーマの前の授業分の「道徳コーナー」の掲示物を活用した。このように、前回を踏まえてめあてを設定することと、今回の学習で気付いたこととしてまとめることを、年度後半の様々な授業で行った。単発になりがちな道徳授業につながりが生まれ、児童の道徳的諸価値についての理解を一層深めることにつながった。
また、本時では、「今回は自分がされていないのに、なぜ勇気が出たのか」という問い返しの後の話合いで、ある児童が掲示物にある言葉を使って「友達を見捨てない」と述べた。また、多くの児童が「あれだ!」「あれもある!」と、内容項目【友情】の授業分の2枚を指差した。このように、内容項目の相互の関連を捉え、多角的に考える手立てとなった。同様のことが【親切、思いやり】等、多くの授業で見られた。
そして、国語や生活科などの授業や、日常の生活場面で、「あの授業でやった、あのことだよ」等と児童が「道徳コーナー」を指差しながら話す場面が多々あった。道徳授業での学習を他の場面と関連付け、広げることを促す効果が見られた。
(6)ワークシートの実際と児童の記述
本学級の児童の実態を踏まえ、ワークシートは、挿絵と吹き出しを用いたシンプルなものにした。
A児は、授業を通して、友達(被害者)を自分と同じように考えることについて気付き、振り返りでそれを書いている。
1「のぼる、わざとじゃないと思うけど、先生にしかられたくないからって、ちがう人におしつけたらいけないよ。」
2「がんばれ自分。もし自分だったらいけないでしょ。」
B児は、授業での発言が多い子の1人である。主人公が何もできなかった時の気持ちについて、「くそ、やり返したいな」と発言した。その後の中心発問についての記述では、のぼるを諭すような内容をたくさん書いていた。「人のせいにしてもすっきりしないはず。楽しくないはず。」「(意地悪は)いつか自分に返ってくる。」という視点は、加害者にとって意地悪をしない方がよい理由についてである。また、前回の授業での気付き「すっきりしない」も含んでいる。
振り返りでは、「他の人もこのような目に合うのを防ぐために頑張る」ということ書いており、本時の話合いを踏まえたものとなっている。
1「ぼくにはやってもいい。でも、ほかの人にはやるな。それをやってすっきりするか。おしつけるな。この前もそうだっただろ。たにんにおしつけて楽しいか。かわいそうと思わないか。それはいつか自分にかえってくるぞ。」
2「がんばらないと、ほかの人もへんなめにあうよ。」
C児は、発言は少ないが、じっくりと考え、書けるようになった児童である。記述の右端(枠外)に、最後に書き加えられたと見られる文がある。「人のせいにする(嘘をつく)と、将来泥棒になる」と、のぼるを諭す内容である。これは、内容項目が【正直・誠実】の授業での話合いで出た意見「嘘は泥棒の始まり」ということを踏まえてのものであり、「嘘をつかない方がよい理由」である。また、加害者側ののぼるの改心を願う内容である。振り返りは、「勇気を出して頑張れ」と書いており、「勇気のもと」については具体的に触れていない。振り返りでは、多くの児童が同様に書いていたので、「理由は」と問い、続けさせるとよかった。
1「いくら先生におこられらくなくても何でなにもしないひろしくんにわたすんだ。のぼるくんがこの前ぼくがみえちゃんの下じきをわってないのにぼくにおしつけただろ。こんかいものぼるがやったんだろ。のぼるくんがしょうらい大人になったらどろぼうになっちゃうから、ちゃんとおれたものさしをわたさなきゃ。」
2「ゆうきを出してがんばれ。」
(7)年間を振り返って
ご指導のおかげで、授業改善を行い、多くの手応えを得た。しかし、低学年の発達段階、児童の実態を考えると、動きがある活動(ネームプレートを黒板に貼る活動や、それによって示した自分や他者の意見を用いて考える活動)等、どの児童も話合いに集中して参加できる工夫が必要である。今年度の研究での成果を全児童のものにするために、今後さらに研鑽を続けたい。
「道徳授業セミナー」授業公開を終えて
授業後は、思いどおりにいかなかったこと、子どもたちへの申し訳無さ、協議会や受指導の有意義さへの感激、ほっとした気持ち、次への意欲…
翌日は反省を生かしての授業計画、
翌々日は、参観日での道徳で反省点を克服できた喜び、
その翌日金曜日は、一転して、自分の不甲斐なさへの腹立たしさ、失望、
…心中二転三転の日々でした。
しかし、休日に授業のVTRを見て文字起こしをすると、数多くの反省点と共に、
「まだまだとはいえ、数ヶ月前、数年前の自分よりは格段に向上したこと」
「この数ヶ月間、子どもたちと共に積み重ねてきた学習の厚さと、共に築いてきた風土」
「子どもたちの本気」
「本気のやりとり」
に気付き、胸がいっぱいになりました。
そして、「共に考えて、指導してくださった同僚の存在」「講師の先生(実は初任者時代に同学年担任をした同僚)のご指導」なくして、この授業は有り得なかったことに気付き、
今さらながら、感謝の気持ちが胸にこみ上げてきました。
心を込めて、講師の先生に、メールを打ったところです。
このご縁に感謝します。
そして、同僚たちに、ありがとう。子どもたちよ、ありがとう。
これからもよろしくお願いします。
子どもたちと共に、愉しく、授業を作っていこう。
自評や協議内容、受指導の要点を書こうかと思いましたが、
次回に譲り、余韻と希望に浸ります。
shochandoeeeesu.hatenablog.com
2年「おれたものさし」授業記録(全発言文字起こし)
指導案、研修のまとめはこちらの記事へ。
shochandoeeeesu.hatenablog.com
T今日のテーマは「よいと思ったことをする」。何かこれ、前に・・
Cあ、あった
Tこのことですか?(これまでの1授業1枚の掲示物による足跡「道徳コーナー」6月の「わすれられないえがお」の回の分)
Cそれそれそれ!
Tこの勉強でみんなが気付いたことは
C勇気を持って・・・ C成長
Tもし叱られても、勇気を持って、そして言ったら、どんな心になるんだったっけ?
Cすっきり
Tあれから何か月も経って、勇気を出して、よいと思ったことをした人が、みなさんの中にもいましたね。階段を上ってくるところに、ハートのマークの・・・掲示板に貼ってありますね。先生も読んだよ。
例えばC1さん。この前、たった1人で、えっと、だれだったっけ・・・
C O先生
Tそれと、I先生に、鉛筆と消しゴム貸してくれてありがとうございましたと言いに行けたね。
ほかにもおったね。
それでは・・・でも、勇気が出ない時もあるよね。・・・勇気が出る時ばっかりですか?
Cうん~
Tよいと思ったことが。いつも勇気を出してできていますか?
Cできんかも。
T先生でもあるよ。ということで今日みんなで考えてみたいことは、勇気がどうやったら出るか。勇気のもとになるものって何だろう、って考えてみたいと思います。
3分
T今日のお話は18番、おれたものさしです。
Tでは、このお話には、こんな人が出てきます。じゃじゃん。まず「ぼく」が主人公。そして、のぼるや、ひろしが出てきます。他にも出てくるけど主にはこの3人ね。後で「ぼく」、主人公の気持を考えようねって先生がみんなに聞くから、この話を聞くときにも、「ぼく」の気持を考えながら読んでください。
はいじゃいきます。
(範読。場面絵を提示しながら)
6分
Tじゃあ、えっと、今回はひろしがされたんだけど、前は「ぼく」がされたんだよね。この時のぼくの心の中。ぼくはどんなことを思ってたんだろう。(場面絵から吹き出し)この時の気持ち。
数人挙手 指名
発表C2 本当はおってないのに。
Tこの時は「割ってないのに」だね
発表C3 やり返したいな
発表C4 C2に似ていて、何でぼくに押し付けるの?です
Cああ~
T何で?!という感じだね
T・・・今「何で」と出てきたから考えてみよう。何でのぼるはぼくに押し付けたんだろうね。
C5 近くにいたから犯人と思ったです。どうですか。
Cえ?
T近くにいたから。 本当に、この人(ぼく)がやったんだ、と思ったのかねえ。
C5 自分がやったってバレたくなかった。その人のせいにした。
Tうん、そうだね。
Tやり返したいと思ったんだったら、やり返せばいいのに、何もできなかったんだよねえ。何でだろう。
Cやさしいから。
Tだれがやさしいの?
Cぼくが。
C4 その時に勇気が出なかったから。
T何で勇気が出なかったんだろうね。
C怖かった。
T誰が怖かったの?
Cぼく
Cのぼるのことが
Tそうだね。じゃ、自分が、ぼくの気持ちになりきったら、のぼるのことが怖い、言い返したいけど言い返せないって気持ち、わかった?
Tきっと、この後も、すぐには気持ちがにっこりにはならなかっただろうねえ。…え?すぐににっこりになったと思う?(にっこり顔マーク貼付)
Cいや
C青い気持ちがいっぱい (青い悲しい顔マーク貼付)
Tすっきりはしていなかっただろうねえ
C絶対すっきりはしていない
Tもやもやって書いちょこっか(板書)
C言いたいけど言えんかったんじゃないん C自分が犯人に思われるんじゃないん
12分30秒
Tじゃあ、前はちょっと置いておいてですよ、今回は、今回は
Cひろしが
Tそう、ひろしが折れたものさしを押し付けられたんだよねえ その時、ぼくは、・・・・今回はものさしをのぼるにわたしたんよね。
C勇気をもって
Tそう、その時、ぼくはどんな思いで、のぼるにものさしをわたしたんだろう。
Cまたのぼるがやったんだろう。
Tなるほど、じゃ、ちょっとだれか前で、なりきりタイムやってみようか。ぼく役をやってくれる人。
(6人挙手)
T C6やってみようか 先生がのぼる役をやりましょうねえ。
Tちょっと今日はねえ、先生がぼくのお手伝いはできないので、音声を、録音しておいたものにします。いきます、なりきりタイム。
・・・あ、ひろしがおらん、ひろし(ひろしの模型提示。)
Cちっちゃい! ザワザワ
Tちょっともう一回 なりきりターイム(役割演技)
C ハハハ ザワザワ
T(インタビュー)どんな思いで、ぼくはものさしをのぼるにわたしたんでしょうか。
C6 先生におこられたくない
T自分が先生におこられたくなくって、のぼるにわたしたんだ。どうですか。
Cん? Cいいと思います。 Cのぼるじゃないん? Cぜんぜんわかりません。 C理由が
T理由がわかりません?先生はわかったけど。 本当はだれがやったんかねえ
Cのぼる
T自分もひろしも、おこられたくない。だからわたしたんだ。
Cえ、ちがうくね?のぼるが怒られんようにやったんよ
Tじゃあ、みなさんはどう思うか、いつもどおりワークシートに書いてみようね。 勇気を出してやったC6に拍手! Cパチパチ 勇気だ まさに今日の勇気だ
(ワークシート配付)
17分30秒
(机間指導にて Tこの時はできんかったけど、今回はのぼるにわたせたんよ
Tふ~~ん、なるほどね うんうん、わかるこれ、なるほどね 書けたじゃん
Tなるほどね こうして欲しかったんじゃ)
23分40秒 Tよし、じゃ、みんな書けたよ。言えそうじゃね。
Tじゃ、話し合いましょう。発表お願いします。どうぞ。
発表C7 ひろしとぼくがおこられないようにしよう。
T似たようなこと書いている人がいたね。C8さん言ってみる。じゃC8さん言ってみよう。
発表C8ひろしのせいになる!です。どうですか。
T反応しようね。このままだと誰のせいになっちゃう?
Cひろし
Tそうだね。
C似ています。
発表C9ひろしはやってない です。どうですか。
C似ています
Tうん、似ていますの人が多かったね。
Cちょっと似ています。
発表C3他の人にやるな。
Tどうですか? ・・・ちょっと今日はいつもより反応が少ないんですけど、どうですか?反応返してあげようね
C わかりました
T先生っていうよりは、がんばって発表した人に・・・ ○○くんうなずいてるねえ
C似ています
発表C4他の人を、前のぼくみたいな気持ちにさせずに守るためです。どうですか。
C あ~~
T・・・えっと、なんて書けばいいんだっけ?
C4他の人を、前のぼくみたいな気持ちにさせたくない
T前のぼくって、どれかいね? この時やね、この時のぼくの気持ちのように(場面絵の下に青い悲しいT顔マーク貼付)させたくない(同じく顔マークをひろしの絵の下にも貼付)
Tあ~なるほど
T続きにもう一言何かありませんでしたっけ? C4が言った続きが分かる人?
C4 守る。 短く言うと。
T守る!
C他の人を。Cひろしを。
発表C5 他の人におしつけてはいけない です。どうですか。
C あ~
T誰のに似ているっけ?
C5 C3の意見!
Tこれだね。 いけないよ!だね 同じですがでたね。
発表C10 何でひろしを追い詰めるんだ
T難しい言葉が出たけどわかった? 「追い詰める」
C ザワザワ
T追い詰めるっていうのは・・・ (教師が動作化)
Cそういう追い詰めるじゃなくって、気持ちを
T気持ちを・・・こういうふうなことにするってことよね。
Tしかもひろしって、どういう性格なんだっけ?
C弱い C2弱虫
T弱虫って言ったらちょっとかわいそうやから、
C泣き虫
Tああ、「気が弱い」ってことだね。
Cこの間のぼくと同じよ。
Tああ、そうか。この時と同じなんだ。気持ちも同じ、性格も同じ。
Cその時は同じよ。でも、もう、強くなった。
Tなるほど。結構意見がでましたね。 おお、発表する?
発表C11 のぼるがやったんだろう!
Cああ~
T何て言うんだろう。怒り?! だれか同じようなこと書いていたね。怒ってる感じ。○○さんだったっけ。 怒ってる感じなんだ。 だいぶん意見がでましたね。
T C12、でもね、ちょっと見て。私、ちらっと、先生の心の中でね、青いハートの中の奥深く、「本音さん」がね、こう言うんですよ。今回は、されたのはひろしでしょ。前は僕だった、でも、今回はひろしでしょ、だから、自分はされていないから、勇気が出なくても仕方ないんじゃないかねえ。
自分じゃないもん。どう思います?もし自分が「ぼく」だったら、ひろしを見てて、されたのは自分じゃないんだから、ちょっと勇気出なくても仕方ないって、そう思わない?自分の中の本音さんが。
Cう~ん・・・
C12 多分ね、言う。
T C12はね、多分言うって。いいと思うよ。それでも。
C3 おれは絶対言い返す。
Tでも、この気が弱いぼくが、自分はされていないのに、何で、今回はものさしをのぼるに渡せたの?
Cだって他人がいじめられてるもん。
Tちょっと、隣の人と話し合ってみよう。30秒だけだけど。
34分20秒
Tじゃあ発表してみよう。
発表C13 友達を見捨てないことです。
C多数 あ!あれだ!(教室後ろの「道徳コーナー」掲示物を見る)
C「友達やもんな、ぼくら」だ
C先生、「森の友達」も! あっち!
C「いじわるしたのに見捨てなかった」って書いてある。
Tなるほど、じゃあ、ひろしのことを見捨てないっていう気持ちか。
Cハムスターと同じ(?)
Tそうか、これにつながるんだね。 みんなもう納得ですか?
Cはい!
Cそれよりもう帰りたいです
Tあとちょっとやけえね 5分後やけえね
発表C2 ぼくは自分がわたされちょうと思って、のぼるくんにじょうぎをわたした。
T ?? (聞き取れず、そばに寄って)
発表C2 自分が…もう一回…わたされちょうと思って…
T のぼるくんにじょうぎを突き返した。
T うなずいている人いるねえ。わかった?どうですか?
C あ~~(多数)
Tこれとこれが気持ちも似ていて、(青い悲しい顔マーク札2つを重ねる)
C4自分と思えてきて、やった
C2自分がもう一回やられちょうと思って。
Tどうですか
Cあ~~
Tもう一回うなずきよる。まさに。
C5 この前ぼくがされたから、ひろしもそれと同じ気持ちだから、もう、こんな同じことを、こんないじめみたいなことをぼくは見たくないから、のぼるに渡したです。どうですか。
Tどうですか?
Cいいと思います。
Tいじめみたいなことを見たく… C ない
T C14くんがよく言うよね、「やめろ」って。多分その時の気持ちなんじゃない?
Tいじわるを、もう、… C見たくない! T 見たくない!(板書)
繰り返さない。させないね、させない。見たくない。見たくないってことやね。
なるほど、最初よりも、だいぶ、この時の気持ちが分かってきたね。
じゃ、これは、赤い方のハートだね。(赤で囲む)
怖いなっていうのは、青い方の気持ちだね。(青で囲む)
C青も入ってるよ
C2赤い中に青が入っちょう
C3ちょっと青が入っちょうけど、赤が勝った。
Tそっか、どうしようっていう気持ちも入っちょったんやね
C2自分じゃないっていう気持ちが入っちょう C今回は自分じゃないけど…
39分50秒
T(時間がないと焦り、十分聞かずに次の指示へ)じゃあ、最後に、もう一回、役割演技やって、その時の様子を、みんなでなりきって考えてみよう。じゃあえっとまた私がのぼるをやるので…
Cはいはい!やりたい!(数人)まだ発表してない人どう?!(数人に勧めるが嫌がる)
C11(役割演技)(演技後インタビュー)
Tぼくはどんな思いでやったんですか?
C11…他の人にも、いじわるはもう見せたくない。
T他の人にも、いじわるはもう見せたくない。どうですか?
Cあ~ C14 いつもC11怒ってる
T今みんなそっちで見てたよね、見てたってことはこの「みんな(挿絵内の周りの子)」の気持ちが分かるってことよね。見ていてどう思った?
C何何? ・・・
T C15、C15は見ていてどう思った?
C ・・・
C よーし犯人見つけてるって思ったけど、やっぱり自分がやってたんだ。
T C16はどう思った?特にC11がのぼるに返したところを見てどう思った?
(無言)(後ろの席の子も無言)C9勇気があるな~ (その後数人無言)
T先生は、のぼる役をやって、のぼるの気持ちが分かったよ。ドキッとした。まずって思った。「ぼく」のこと、かっこいいって思ったよ。
T C11くんに拍手!
Tじゃあ、この前、みんなが見つけた「勇気のもと」は、「すっきりするって思えばいい」とか「自分の成長になるって思えばいい」とかだけど、
今日の授業でみんなが見つけた「勇気のもと」は何だったの?
C14 えっとね、水曜日のやつ
C4 全部! T全部?!全部かあ
C青いのが混ざってる
Tどんな時に勇気が湧いてきた?
C…
T何て書く?今日の「道徳コーナー」に、みんなが見つけたこと、何て書く?
T(黒板を)指差して!特にあれ書いてほしいっていうのを。せーの!
C(主に板書左側を指差す子多数) C4 全部!
45分(終了のチャイム)
T時間になっちゃったけど 振り返りね
T将来、これからね、自分が勇気を出してやろうと思っても難しいなってことがあるかもしれん。その時に、一言でいい、自分にどう言う?いつものように、書いてごらん。
Tそれじゃもうね、時間が過ぎちゃったからね。最後に発表したいっていう人!
座ったまま発表C4 難しくないって思えばいい。
座ったまま発表C7 相手が怖くても勇気を出して
座ったまま発表C3 他の人も変な目に合うぞ
T それでは書けたら持ってきてくださいね。気をつけ、C4号令お願いします。
(C4号令 書けた人から教師のところへ提出しに来る
最近の道徳備忘録「許す」「赦す」「恕す」など
【道徳中心発問】
— 白黒先生 (@sirokuroteacher) 2020年11月3日
人は何かをしている最中に瞬間的に深く思考することは難しい。
なので、中心発問で思考を深めるには
○登場人物がその行為をする前の葛藤
○その行為が終わった後に自己を見つめ直している所 を発問する。
道徳的価値行為の前後を問う方が児童の思考が深まりやすいです。 pic.twitter.com/2sYGQyow9X
「提案理由は絵やキーワードで示す」
— 狗先生 a.k.a SBKN t. (@satoshi_edu) 2020年11月4日
提案理由の大切なところをサイドラインや赤字で書くのもよいが、絵やキーワード、グラフで示すと要点を捉えやすくなる!#特別活動の教育技術#合意形成の教育技術#提案理由の構造化 pic.twitter.com/Y32ZYMXChh
【道徳ワークシート】
— 白黒先生 (@sirokuroteacher) 2020年11月4日
罫線ありより、フリーペーパーがオススメです。
なぜなら、考えていることを図解できるからです!
図解すると
○思考の速度がマッハになります。
○考えていることの共有もしやすくなります。
図は『うばわれた自由』の授業より、子どもの思考から生まれたものです。 pic.twitter.com/l2aRecfKfd
【道徳ってどんな時間??】
— 白黒先生 (@sirokuroteacher) 2020年11月7日
「自分の心を磨く時間」
ぼんやりとある自分の中の価値観を言語化することで高める。
「人の良さや考え方の多様性に気づく時間」
自分とは違う考えに触れ、新しい考えや価値観を自分の中に取り込む。
クラスに自由に意見を言える雰囲気があれば素敵な時間になります!!
【道徳のめあての作り方】
— 白黒先生 (@sirokuroteacher) 2020年11月7日
「友情の大切さについて考えよう」より
「なぜ友情が大切なのか考えよう」の方がしっくりきます。
友情が大切だということはみんな知ってますので…
私は短い言葉が好きなので黒板に「友情」とだけ書いて、「今日はどんな時に友情が深まるか考えます」と言葉で補足します。
【板書で使える技】
— 白黒先生 (@sirokuroteacher) 2020年11月8日
ちょっとした技ですが、使うと板書が見やすくなったり、子どもの思考を促せたりする技をまとめてみました。
用途が分からないものはリプにて質問をどうぞ。
質問大歓迎です! pic.twitter.com/TW30jaCd3S
学びの実感。
— Numata.T@立体型板書×国語授業 (@numataku2525) 2020年11月9日
授業での交流を通して、自分の考えは「変わりましたか?変わりませんか?」と授業終盤に再度、問い直す授業。私もよくやっていた。
しかし「変わらなかった子」の学びの実感がいまいち捉えにくい。ならば、「考えは広がりましたか?深まりましたか?」と問い直す方が実感を得られそう。
道徳的価値の構造
http://www.edu.pref.kagoshima.jp/research/cooperation/sidouan/yamashita/h26sidouan/doutoku2nenn.pdf
注意を聞くよさは(1―(1) 節度・節制,自立)
資料名「どっきりしたこと」(学研教育みらい2年)
こちらの中に、「道徳的価値の構造」というものがありました。
実践を阻む要因
a 自分本位な考え(自分がしたいことをする)
b 自己弁護(自分は注意をよく聞き入れる)
c 思慮不足(周りのことを考えない)
d 意欲の欠如(注意を聞き入れたくない)
e 無関心(注意が気にならない)
f 好悪の判断(人によって注意を聞く)
↓↓葛藤↑↑
道徳的実践を支える考え方や感じ方
対自分
ア 相手の注意を聞くことができる自分が嬉しい。(自分の喜び)
イ 注意を聞くことのよさが分かる。 (よさの自覚)
ウ 自分が成長できる。 (自己の成長)
対他者
エ 他者から認められる。 (他者からの称賛)
オ お互いに注意を聞くと信頼し合える。 (他者との共感)
カ お互いに気持ちよく過ごせる。 (お互いの喜び)
対社会
キ みんなを困らせないですむ。 (望ましい集団の形成)
ク みんなが注意を大切にできると気持ちがいい。(集団の喜び)
ケ 相手の意見を聞き合う学級になれる。(望ましい学級の形成)
↓↓↓
①他者からの注意を大切にできる(思慮) 心構え
②意見を聞くことができる(受容)
③自分本位な行動と分かる(自覚)
④注意を聞ける自分になれる(成長)
⑤互いの注意を聞き合える(協調)
⑥仲間と信頼し合える(共感)
⑦他者が喜ぶ(幸福)
⑧過ごしやすい集団になれる(望ましい集団の形成)
端的な言葉で表し、分類整理するよさ、そして、このような捉え方があるのだということに驚きました。
すぐには真似できないと思いますが。。。
構造的、論理的、網羅的に考えられるようになりたいです。
余談ですが、
こちら↓を見て、内容項目の(1)は、以前は【節度、節制】だったのだと知りました。
https://www.kyoiku-shuppan.co.jp/textbook/shou/dotoku/docs/cos10_btv01.pdf
道徳科 新旧対応表
個人的には今の指導要領の方の理念に賛成です!Aー1はやはり【善悪の判断、自律、自由と責任】ですね!他のどんな価値も、判断力と実行力、自律がないと行えないから。