多趣味おばちゃん 小学校教員のメモ

気が合う人、教育について語り合おうぞ!学習ソングも作曲中。

2年25「七つのほし」【感動、畏敬の念】

でました、【感動、畏敬の念】です。

低学年のこの内容項目は「美しいものに触れ、すがすがしい心をもつこと。」

中学年は「美しいものや気高いものに感動する心をもつこと。」

高学年は、「美しいものや気高いものに感動する心や人間の力を超えたものに対する畏敬の念をもつこと。」

 

・・・以前は、超絶難しい内容項目と感じていました。しかし、昨年度と今年度初めに、校内研修で、本校の先輩や、講師の温品先生の授業を見せていただいたり、講話を聞いたりして、そこまで身構える必要はないのだと感じました。そして今では、(よい授業はできないですが、)以前よりはアレルギーなく授業に臨めました。

「美しいものって、いいな!」「心がすっとするな、じーんとするな、心が釘付けになるな」「身の回りにあるんだな」「もっと見つけたいな」こんなふうに児童が「感じる」ことができる時間にすればいいのだなと思います。

 

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 今回は今年度初めての参観日ということで、全員発表を、普段もめざしているけれど、いつも以上に意識しました。

そして、「美しい」ということがピンとこない児童も多くいると思われることから、導入にあえて時間をさきました。

発問は大きく3つで、下のワークシートのとおりです。

 

「美しいって、どんなこと?」では、3分の1以上が「よくわからない」と挙手していました。

1は、普段は書かせることまでしないけれど、挙手しない子のも見取って意図的に指名したり関連付けを価値付けたりするために書かせてから発表し合いました。

その後、「教師が『美しい』と思うもの」を画像でプロジェクター投影しました。

地元秋吉台の星空から始まり、焼野の夕焼け、元乃隅稲成神社、角島、弁天池、コスモスの花びらが透けているもの、

そして、体操選手の技、少林寺拳法の演武、機械時計の中身、クリムトの絵(母と子の抱き合う姿)

児童の輝く瞳も出したかったのですが、写真が用意できませんでした。。。

www.sanspo.com

moguranosettin.blog.fc2.com

グルーピングすればよかったです。

 

2の中で、「やさしい気もち」と言った児童がいたので、そこから「だれの」「どんな気もち」をみんなで話し合いました。

母と娘のやりとりの場面と、娘と旅人のやりとりの場面とを、役割演技で行い、

その後、役者と、聴衆とに、どんなことを思ったかを尋ねました。

「自分も喉が乾いていたけれど、旅人の方が死にそうに見えたから、ゆずった」「お年寄りだから」「(聴衆で)見ていて嬉しかった」などの声が挙がりました。

「すごいな」「難しそうだな」の声は挙がりませんでした。

 

(自作の紙のひしゃくが活躍!あえて白にしてよかった。)

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「自分も喉がかわいて死にそうなのに、知らない旅人に水をあげられる?」と自我関与を促し、挙手をしました。(自分ならどうする発問は、建前で答えるのであまりよくないと言いますが、この日は端的に、時短で行いたかったので、そうしました。)

「できる」「できない」「迷う、分からない」が3分の1ずつくらいでした。

そして、「難しいよね!」「できなくてもだれも文句は言わないし、許してもらえると思うよ」という話をし、

「だから、こういうやさしい気もちになるのは、あきらめる?」と尋ねました。

「いや、あきらめたくない」をいう声が挙がり、

ここを「くくりどころ」にしました。

 

「難しい、けれど、あきらめたくない、こうなりたいな」=美しい心

(難しい場合もある、けどあこがれ。だから「美しい」のだというような意味)

 

3は、( )の中に何が入るか確認した後、(心)

「自分の中にもあるよ」「ちょっとしたやさしさや頑張りでも美しいよ」、と、島恒夫先生の「プラス思考の」振り返りを使いました。

参観日ということで、「思いつかない場合は、おうちの人にも聞いておいで」と言いました。

「トイレの順番を譲った」「ダンスを恥ずかしくても一生懸命踊った」「しせい」などが挙がりました。

 

 

english.mag2.com

「うつくしいものを美しいと思える あなたのこころがうつくしい」

この言葉も、いつか届け、みんなで味わいたいものです。

 

こちらのサイトも参考になりました。

自分の「美しい」観を見つめ直す良い機会になりました。

careerscape.lekumo.biz

 

追記

挿絵が小さかったのも反省です。特に星。データはいつもの半分くらいの大きさでした。

【更新・訂正】「もし」を考えることで深まるか浅くなるか

(1)二兎を追うことにはならないのでは

前回書いたように、同僚と話していて、

「『もし』を考え、ポジティブ結果・ネガティブ結果両方を考えることで、浅くなるのではないか」

と意見を述べました。

 

例えば、2年「わすれられないえがお」や「おれたものさし」(ポジティブ教材)で、主人公の「行動してよかった」についてその理由や心情を考え、よいと思ったことを行動に移すことのよさ(ポジティブ行動と結果)について考えるとします。

その際に、「『もし』行動に移さなかったらどうなっていたか」(ネガティブ結果)について考え比較することです。

 

3年のネガティブ結果教材「SL公園で」(ネガティブ教材)を例にすれば、

主人公の「注意しなかったからこうなった」(ネガティブ結果)と、

「『もし』注意したらこんなよさがあった」(ポジティブ結果)を両方考え比較することです。

 

理由は、2つについて考えると、1つについて考えることに比べて単純に時間が短くなるからです。

また、「もし」は仮定で、教材に書いていないことであり、児童が各々で違う土台をもとに考えたことを述べ合うからです。

 

しかし、そうとは言い切れないと感じ始めました。

 

それは、例えばポジティブ教材では、どちらか一面(A:行動に移してスッキリ、相手にもしっかり伝わる)を考えれば、2020/11/02更新(訂正)

「どうして主人公は行動に移せたのだろう」や「主人公はどんな思いで行動に移したのだろう」と問うことで、

一面(A:行動に移してスッキリ、相手にもしっかり伝わる)も、もう一面(B:もし行動に移さなければモヤモヤするし、相手に伝わらず正しくないことを繰り返す)も、どちらも含まれることになるからです。 

 

ネガティブ教材の例で言えば、「どんなことを思っているのだろう」「どんなことを後悔したのだろう」と問うことで、

「B:注意しなかったから…モヤモヤした。みんなが叱られた。友達の成長にもならない。(もし女の人が来ていなかったらいつか大怪我など大変なことになっていたかも。どうにか止めたかった。)」

「A:『もし』注意していれば…言い返されるかもしれないけど、聞いてもらえて、スッキリしていたかもしれないし、みんなが叱られずにすんだ。悪いことをもう繰り返さず、危険なことにもなっていなかっただろう。」

という両面の意見が出てくるということです。

(2020/11/02 少し修正しました。)

 

(過去、それを分けずに板書したら、整理されずスッキリしなかった経験があり、

それからは、上段にAを、下段にBを整理して書くようになりました。)

 

こう考えると、発問を

①「Aを問うた後、Bを問う」のように2つに分けて問うのと、

②「行動の理由や心情を問う中で、AもBも出る、それを分けて書く」のと、

時間のかかり方はそう違わないのではないかと思い始めました。

 

では、深さはどうなのでしょう。…難しいです。

(2020/11/02追記)

ポジティブ教材の場合、前述のように「言いにくかっただろうに、どうして注意できたのだろう」「どんな思いで言ったのだろう」という発問で引き出しやすいですが、

ネガティブ教材の場合、「どんなことを後悔したのだろう」では深いところまでは出にくいので、「ずっと考え込むほどとは、何を考えていたのだろう」等と揺さぶらなければと思います。しかし、その発問は、児童の意欲を喚起するものとは言い難い。

 となれば、Bを問うた後に、「A:もし行動ができたら…」と問う方が自然であるし、前向きな気持ちになれます。「実践意欲や態度を養う」というねらいに合うと思います。

同僚の提案の意味が今ようやく分かりました!

 

 

ここまで来て、改めてこう気付きました。

…結局の所、「揺さぶり」をかけて、間口を狭くして、児童が本気で考えるようにできるかどうかが深さを左右するのだと思います。

 

例えば、2年「わすれられないえがお」では、「わざとでなくても足を踏んでしまったのだから謝るべきだと言っていたお母さんの言葉を思い出した。謝ろう。でも怒っているように見えるおばさんが怖くて言いにくい。でも言おう!」という葛藤をおさえた上で、

「A:自分から謝ってよかった。なぜなら…」と「B:もし謝っていなかったら…」

を整理する。それなら前述の①でも②でも似たようなものだと思います。

 

しかし、この後、「でも、この話ではおばさんがにっこりしてくれたからよかったけど、実際には謝ることで逆に『遅い!』と怒られたり、『もっと早く言うべきだよ』と注意される場合もあるかもしれないよね。もしそれでも自分から謝る方がいいのかな?」

と揺さぶることで、児童の思考はもう一段深まったように思います。

【別の「もし」発問】【条件・結果を変えた「もし」発問】です。

 

これは難しい面もあると思います。

「A(よい行動をした結果)とB(もししなかった場合の結果。仮定。)の比較」

よりも、この、

「A(よい行動をしたけど、もし自分の不利益が含まれる結果だったらの仮定。2段階目の仮定。)との比較」だからです。AとBの枝分かれがあり、その下に1と2の枝分かれがある2段階。

下のAの2です。

 

【Aの1】:よい行動をして、よい結果・・・典型的ポジティブ教

【Aの2】:よい行動をして、悪い結果(自分の不利益を含む結果)

【Bの1】:よい行動をせず、よい結果(一時的には利益を含む結果)

【Bの2】:よい行動をせず、悪い結果・・・典型的ネガティブ教材

 

 

(2)教材の分類、及び、「もし」発問の分類

道徳教材には【Aの1】、【Bの2】しかないですが、【Aの2】、【Bの1】の場合だって実生活には結構あるのです。だからこそ弱い心に負けそうになる。

「けれど、本当にそれでいいのか。目先の利益にとらわれているのではないか。」というところを揺さぶって考えさせる、それによってより深いところまで考えさせることができるのではないかと感じています。

 

例えば、「SL公園で」で、「注意しても聞いてくれないかもしれない。さらに言い返されるリスクもある。それでも注意する方がいいの?よさは何?」は【Aの2】です。

(仲の良い友達だから喧嘩になっても後で分かってくれるだろう、どうにか説得しようとしないといつまでも説得する力はつかない、自分はできるだけのことはしたと後悔しない、言い返されても危険から命を守る方が大切、などの意見が期待できる。)

 

他の例では、「もし女の人が来なかったら、注意しなくても誰もしらかれないし、何も起こってなかっただろう。それでも注意する方がいいの?」です。これは【Bの1】です。「注意しなかった」行動Bの後に「もし女の人が来なかったら」という仮定が入ることで、一時的には利益を含む結果1になります。

(先のことを考えると、危険な遊びを繰り返してしまい、いつかは大怪我になる。決まりを守らずいつかは大迷惑をかけてしまう。仲の良い友達が決まりを守らない行動を繰り返さないようにした方がよい。自分にしかできない。などの意見を期待。)

 

 

こう考えてくると、一言に「ネガティブ教材」と言っても、分類できると分かりました。

①大失敗、バチが当たって大後悔タイプの【大失敗して気付いた型ネガティブ教材】(例:1年「かぼちゃのつる」「オオカミ少年」)  と、

②【小失敗して気付いたネガティブ教材】(例:3年「SL公園で」のように、途中で何かがあって、本当の失敗には至らずにすんだ、そして自分の至らなさに気付かされた)

とがあり、

さらに言えば、①②の延長に

③【前回よい行動ができず、それを元によい行動ができたポジティブ教材】(例:1年「ダメ」、2年「おれたものさし」)

④【葛藤を経て、失敗前に気づいたポジティブ教材】(例:1年「それっておかしいよ」、2年「わすれられないえがお」「全校遠足とカワセミ」))

とがあるのです。

 

そして、

⑤【葛藤なしによい行動ができたポジティブ教材】があるのか、そして、それはどう扱うと効果的か、今後考えてみたいと思います。

 

 

 

整理すると、教材や結果の分類を、教材分析や発問作りに活かせそう、というこです

【善悪の判断】などの教材でいうと、こんな授業が、自分の中での典型例になりそうです。

 

導入で自分の生活と本時のテーマを関連づける。

展開で

①まず、「なぜよい行動ができなかったのだろう」で、【心の悪魔】本音部分の「人間理解」、

②また、葛藤でもう一方の【心の天使】よい行動をしよう!という心の理解。(心の綱引きで整理)

③そして、「よい行動をするよさ」【Aの1】、「できない場合の悪さ」【Bの2】の整理。

④さらに、「よい行動をしたけど結果が悪い」【Aの2】、「よい行動をしなくても困らない」【Bの1】の場合もあることを引き合いに出して、揺さぶり、深める。

終末に自分の生活と関連づけて振り返る。

 

クラスにはいろいろな発達段階の子がいます。③④は難しい、④は難しい、という子もいます。けれど、④で揺さぶられ高まり愉しさを感じる子もいるはずです。

各々が道徳的諸価値についての理解を少しずつ深められること、

少しでも道徳性を養い高められることをめざしていきたいと考えた、土曜の朝です。真面目!けど少しスッキリ!

 

 

…いやいや、今度の公開授業の教材「おれたものさし」や、それ以外の教材、内容項目で再考してみなきゃ!

「心の綱引き」で整理し、「問い返し(揺さぶり)」で深めたい 3年「SL公園で」【善悪の判断】

同僚と職場には、感謝感謝です。

A1【善悪の判断】で、1年生の「それっておかしいよ」(横入りの話)

3年生の「SL公園で」の授業を見せていただく機会がありました。

どちらも、教材研究、指導計画への落とし込み、そして何より学級経営が日々の賜物だと感銘を受けました。

そして、同内容項目でここまで研究できることへの感謝です。

以前には、別の同僚の、1年生の「ダメ」、2年生の「わすれられないえがお」の授業も参観し共に研究しました。

ちなみにどちらもポジティブ教材です。

 

1年生は「横入りする仲良しの友達を見る」「自分に言ってくる」ポジティブ教

2年生『おれたものさし』は「折ったのを自分のせいにされる」「友達のせいにされるのを見る」「まわりもはやしたてる」ポジティブ教

3年生は「さくがあるのにSLの上に仲良しの友達が登るのを見る」「誘われるが自分はしない。やめなよと言いたいが言えない。」「言い返され、それ以上は言えなかった。」女の人が注意してくれ、でも「止められたらよかったね」の言葉が頭に残って帰り道に1人で考える。ネガティブ教材。

1学期には4年生の「全校遠足とカワセミ」の授業も拝見しました。「大切な友達からカワセミの話を聞く」「全校遊びを抜けようと誘われる」「悩むが、思い切って断り、諭す」「2人で全校遊びに気持ちよく参加する」ポジティブ教材。

 

授業参観もさることながら、研究協議やその後のざっくばらんな話も非常に勉強になります。

 

今回後輩と話していて、大きくうなずいた部分の一つはこれです。

「注意する勇気を出すのが難しいからこういう教材を通して授業で考えているのに、その授業のまとめが『勇気が大切』とはおかしくないか。 指導書もそうなっているのはいかがなものか。」

大いに共感!私もそれを打破しようと、「わすれられないえがお」「おれたものさし」を組み立ててきました。

特にA1は「よいと思ったことをする」「(正しいと判断した)自分の信ずるところに従って進んで行う」というところだから、勇気が出ない理由にしっかり向き合って、それを行うことのよさをじっくり考え、感じるべきだと思います。

そして、「勇気を生み出すもの」「勇気が出せるコツ」みたいなものに気付けたらいいと思います。

 

そのためには、葛藤への共感、人間理解が欠かせず、

さらに問い返し(揺さぶり)で「よいと思ったことをするよさ」や「勇気のもと」について深めるとよいと思っています。が、

 

ねらいによるし、児童の実態、発達段階にもよる、という話になりました。

私が2年生としようとしていることは、今回3年生がしようとしていたことよりも難しいのかもしれないと考えさせられました。

 

また、同僚の授業と比較することによって、あくまで私が、今度「おれたものさし」で提案したいのはこれだ、というものに、改めて気づくことができました。

 

まずは「前回の同内容項目の授業とのつながり、それとの積み重ね」

そして、発問と板書の工夫、特に

「心の綱引き」で葛藤を整理し、「問い返し(揺さぶり)」で深めたい、ということ。

 

 

 

 

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2年「おれたものさし」心の綱引き

これと同じように3年の「SL公園で」を考えてみました。(ネガティブのままで)

(下線部が揺さぶり発問)

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3年「SL公園で」心の綱引きと、発問(下線部)

同僚と話していて、「なぜ、何を、しんごは帰り道に考えていたのか」について、再度考え直しました。

今回の場合、「言えばよかった」と言っても実際には難しいし、

女の人が来なければ、言わなくても何も起こってなかったはずです。それでも言うのか、自分だったら言えるのかと私自身が自問自答しました。

しんごもそうだったのかもしれないなと思いました。

「勇気を出して注意すればよかった」と主人公は思っただろうし、そうすればよかったねというまとめになりがちだけど、

この教材の場合、それって綺麗事じゃない?

冒頭に同僚と共感した部分が、頭を再度よぎります。

 

 

だから、その自問自答(でも、でも…)に、揺さぶり発問としてみんなで向き合ってみたらいいのではないかと思い、構想してみました。

 

いつか3年生を受けもったら、やってみます!!

 

授業公開まで20日!

 

shochandoeeeesu.hatenablog.com

 

2年23「さるへいと立てふだ」【正直、誠実】

またも時間不足になりました。深く反省です。

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そして、同僚の実践「ネガティブな教材をポジティブな発問で」というものに感化され、それでは今回は、「ポジティブ教材を、あえてネガティブな発問で」扱い比較して、うそをつかないよさに向かわせたいと思い、そうしてみましたが、うまくいきませんでした。特に役割演技です。

 

ところで、内容項目研究として、自分なりに「嘘」について考えてみました。そして、嘘って、興味深いテーマだと改めて思いました。さすがはAの(2)。

★嘘って、なぜよくないのだろう。…自分の心が痛む(良心の呵責)、自分をもだますようで自分が嫌いになる、バレないか気になる、バレないために別の嘘をついてしまう、人から信じてもらえなくなる、嘘をつく癖がつく。「うそつきは泥棒のはじまり」ともいう。

★バレない嘘ならいいのだろうか。…良心が痛む。では、良心が痛まないならいいのか?…いや、そんな人が周りにあふれた世の中は困るし嫌だ…

それに、嘘ついた内容を忘れて結局バレがち。

★嘘って、よくないと分かっていてもなぜついてしまうのだろう。

…結局、先のこと(バレた時の大変さ)を考えるのは後回しにして、その場を乗り切ろうとしてしまうから?叱られたくない、独り占めしたい、嫌なことをさけたい、よく思われたい、悪く思われたくない、心配かけたくない等の気持ちに負けてしまう。

正直に言う勇気が出ない。

それに「バレないかもしれない」という気持ちになり、それに負けてしまう。

★嘘はどんなものでもいけないのだろうか。正直はどんなものでもよいのだろうか。

…そんなはずはない。何でも思ったとおりに言えば傷つく人もいる。それに、サプライズは喜ばせようとしてする隠し事。「うそも方便」という。

★「正直」と「素直」って、どう違う?

「嘘」と「ごまかし」は同じもの?

 

・・・こうやって考えるだけで、こんなに話は尽きません。

だから、導入が長くなるのは想定内でした。けれど、それなら他をもっとスリムに行わなければと反省です。

そして、本当は、嘘をついてしまう時の心「バレないかもしれない」という気持ちに向き合いたかったのですが、全くできませんでした。

 

導入 T 今日のテーマは【正直】だよ。正直ってどんなこと?

C うそをつかないこと

 

T 自分は正直だと思う人?

C (◎○△それぞれ3分の1ずつくらい)

 

T 先生も実は小さい頃はよく嘘をついていた。今でも覚えている。例えば、ほっぺにほくろができて嫌だったからかぎったらかさぶたになった。スイミングで誰かの手が当たったと嘘をついたらバレなかった。心配された。けれど、それが未だに頭の中にある。悪かったなという嫌な思い出。

T どんなことで正直になれない時があるか、言いにくいだろうけど、教えてくれる人?

C お母さんに、大丈夫じゃないのに大丈夫と言った。(心配させたくないから?!いきなり変化球)

C お母さんに、宿題終わっていないのに「終わった」と言う。(めんどうな気持ちから)

C お母さんに、壁が傷ついたのを、妹がしたと言った。 C 犬のせいにした。(叱られたくない気持ちから)

など

(「間違えたのに、赤で書き直さずに、鉛筆で書き直して丸にした」というような「ごまかし」も取り上げたかったが、出てこなかった。

改めて、「親」に対するものが多いのだと分かった。)

T 正直にできたことは?

C 宿題が終わっていないのを、お母さんに正直に言った。だって、すぐバレるから。

T なるほど、見ればすぐバレると分かるからだね。

C 怒られるから 嘘はつかない

 

C 「嘘はどろぼうの始まり」だから。

(ここからが長くなった!!!!)

C え?!どういうこと!?

T その言葉よく知ってるね!どういうことか分かる人!

C テレビで、泥棒が「犯人はあっちに行った」と嘘をついていたから

T それなら、「泥棒が嘘つきになった」になるよ。逆で、「嘘つきは泥棒になる」って…

C 嘘をついたら泥棒みたいに警察につかまるから

T 絶対警察につかまるとは限らないよ

C …?!?!?!

T 例えばね、「私、それよりかわいいの持ってるよ!」と嘘をついてしまって、今度見に行きたいと言い出して、「土日は用事がある」とまた嘘をついて、でも平日に来ると言い出して、どうにかしなきゃと思って・・・お母さんの財布からお金を盗んでしまったり、それでも足りずにお店のおもちゃを盗んでしまったり…泥棒になってしまった。」例えばそういうことだよ。

C なるほど~~~

 

T「さるへいが主人公です。さるへいの気持ちを後で聞くので、考えながら聞いてください。」読み聞かせ。

 

展開 T さるへいはどんなうそをついたか。

C これはしぶがき。食べられません。

C 「この木のもちぬしは さるへい」

 T さるへいは どんな思いでそんな嘘をついたのだろう。

C たくさん食べたい!! 全部1人で食べたい!

T 「うそをついてはいけません」と誰かに書かれた時、どんなことを思ったかな

C だれだろう

C これって、あの猿3人が書いたんじゃない?!

C そうそう!!  …話がそちらへ。

T ほんと? でも「だれが書いたかわかりません」って書いてあるよ。

C 気持ち悪い こわい(これを下側に板書する予定でしたが失念)

ちなみに、黒板は上に「うそをつかないよさ」、下に「うそをついた時の悪さ」(もしうそをついていたら)を書こうと思っていました。

 

T 赤いハート(よい心)の方はさるへいにはなかったのかな?

C あった。だって、他のさるにかきをあげたから。

C ばちが当たったね C そうそう

T ん?これってバチなのかな? 結局うそにならずにすんだから・・・

(うそをついてもバレても、うそをつかなくても、みんなで分けることになるのだが、流す。)

基本発問 T 結局うそにならずにすんだから、どんないいことがあったのだろう。

C 友達が増えた。

T にっこりだね。^^

 

中心発問 T では、もし、だれも立てふだに「うそをついてはいけません」と書かなかったら、どうなっていただろう。

まず他の猿3人の立場で考えてみよう。(役割演技)(挙手多数!交代しながら大盛りあがり。悪ノリな雰囲気にも…)

C うそつかないでよ

T 本当だよ

C だってその木を育てたところ見たことないもん

T 見てないだけだよ

(ここから、変わったことを言おう、面白いことを言おうという雰囲気になり・・・)

C 警察に訴えてやる! (C聴衆 この話の世界には警察おらんやろ!)

T 警察がいなくても、つまり、それだけ怒っているということだね(板書 ヽ(`Д´)ノ)

(渋柿なら、あなたも食べられないね。という意見はでなかったのでTが言った。

→「食べたら結局バレるよね!」)

T つまり、嘘でどんな悪いことがある?

C 嫌われる

 

振り返り 自分はどうかな?

最初に出たみたいに、これから、嘘はいけないと思っていてもつい嘘をついてしまいたくなることがあるかもしれないね。そんな時の自分に、「自分へのメッセージ」を書こう。

この形は2回めだったので、前回よりは書けた。が、やはり「意味が分からない」という子もいた。今回は図で説明した。しかし、未来の仮定の、しかも自分自身に書くのは、やはり難しいようだ。

「嘘をついてしまった時の自分へ」ならまだ書きやすいかもしれない。

 

時間が来て、肝心の交流ができませんでした。

 

 

・・・こう見てみると、思い通りにはいかなかったし、揺さぶり発問もできず、深まりは今一歩ですが、

子どもたちからいろいろなつぶやきが出て、やりとりは愉しくできました。

参加率も高く、全体的に楽しい雰囲気でした。寓話ですし、こういう授業もあってもいいのかもしれません。

最近は「なぜだろう」と考えさせる授業が多かったので。。。

 

2020/11/03追記

以前掲載した記事、

shochandoeeeesu.hatenablog.com

この中に、【正直】のことが、ねらいについての部分で書いてありました。

edupedia.jp

参考になります。

 

そして…発達段階的に中学生レベルのことを小学低・中学年でやりたいと思っていた自分がいるように思います。見直したいと思います。

2年22「ぼく」【生命の尊さ】

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同じ内容項目の教材は、「プレゼント」があります。生まれた頃の話を誕生日に母親から聞く話でした。私が娘を出産した時の話もしました。

「道徳コーナー」には

テーマ「いのち」、ここまで育ったのは「当たり前ではない」、いのち・愛情がプレゼントだと書き、私が出産した時の写真を貼りました。

 

今回はそれを進化させて、「いのち」についてみんなで『心の宝物』を見つけようね、という導入をしようと思っていましたが、

私がそれを失念しておりました。

 

この内容項目は、

〔第1学年及び第2学年〕 生きることのすばらしさを知り,生命を大切にすること。

です。前回の教材は「誕生」「生まれた頃の家族の思い」という側面が強く、今回は「生きているということ」の側面が強いと捉えました。

「自分の好きなもの・こと」を切り口に「生きることのすばらしさを知り」という部分の具体を考える授業にしようと思いました。

 

導入は教科書どおり「生きていると感じる時はどんな時ですか」にしました。

C 高い所から落ちて、目が覚めて、「あ、死んでいない」と思った時

C やけどして熱いと感じた時

など、「似ています」「同じです」で話がどんどんつながって出てきたのはうれしくもあり、しかし、時間をかけすぎたのは反省です。(怪我自慢のような雰囲気にもなりかけていた。)

C おばけの夢から覚めた時

C 見える・泣く・動ける・感じる 

という意見もでました。なるほど~という反応もありましたが、「よくわからない」という反応も多かったです。

「『生きている』って、当たり前のようだから、特に何も考えもしないからかな」というまとめで一旦おいて、教材分の主人公はどんな「『生きている』感じ」をもっているのかなと投げかけて読み聞かせへ。

 

そして今回は、「マインドマップ」を描く活動を入れました。

「生きている」から「好き」につなぎ、その先を広げていきました。

主人公を例にして黒板でやって見せ、その後各自がしました。

 

その後、「(好きなものだけでなく)気持ちを書き込もう」と投げかけ、「なりたい」「したい」につなげました。

 

マインドマップは想像以上に夢中になって書いていましたが、上記の「気持ち」につなげるのは難しかったようで、黒板の例を真似して、自分の図に「したい」「なりたい」を書き込んでいました。

 

振り返りは、「『生きていること』について、考えたこと、気づいたことを書こう」としました。

「生きているって、うれしいんだな」

「生きているからできるんだな」

という記述が多く見られました。

発表で「生きているってすごいんだな」と言った子に、「どんなところがすごいと思ったの?」と聞くと、答えられませんでした。

そのときに、「〇〇さんの言いたいこと、何となく分かるよっていう人」と返し、他の子が言うようにすれば深まったなと今思います。

私が「先生は何となく分かるよ、こんなにたくさん『好き』があって、したいこと、なりたいものもあって、うれしいもんね。生きているからだもんね。」と言って終わりました。

 

以下、その他の記述です。 

「最初は『生きている』って言ってもよく分からなかったけど、授業で考えてよかったです。」

「ぼくってこんな人間なんだ。」

「好きや夢があると、これから生きたいと思えると分かりました。」

「最初は当たり前と思っていて、でも、『好き』からいっぱい『もの』『人』のことが出てきて、いいな~と思いました。とても勉強になりました。」

 

「生きているのは当たり前じゃない。」、

「当たり前のことは、当たり前じゃない!」と書いている子もいました。

 

「当たり前じゃない」は以前の教材「プレゼント」で道徳コーナーに書いたことです。

こちらが何も言わなくてもそれに結びつけていることに驚きましたし嬉しく思いました。

が、今回の学習でどのあたりから「当たり前ではない」と思ったのか、問い返してみたかったです。今日にでも聞いてみたいと思います。

 

・・・「似ています」など「つなげて発表」するようになると、話し合い(発表し合い)が長くなるようになりました。嬉しいことですが、その分、自分のマネジメント力が問われます。今回も時間不足となってしまったので、そこを特に意識していきます。

 

 

追記2020/10/20

 また、今回はあえて「『ぼく』のことが一番好き」「自分の存在そのものの尊さ」ということにはあまり深入りしませんでした。なぜなら、上記の活動と問いを通して、同時にそのことに間接的に触れることとなり、改めて気付くことができると思ったからです。

しかし、マインドマップに「好き」から「ぼく」「わたし」を書いている子はいませんでした。

あえて私が黒板での例示に書かなかったことが影響したと思います。

マインドマップに自分の好きなもの、ことを書くのに夢中で、「自分のことが好き」という教材文の主張は、たとえ読後は心に残っていたとしても長くは心にとどまっていなかったということです。

 

それならそれで、最後に、私が「先生は『自分』も書いたよ」と紹介し、好きな『自分』から矢印を出して、初めからあった「生きている」につなげることもできたなと思います。

 

P80の「自分への賞状」もしませんでした。P24の6「ありがとう、りょうたさん」【個性の伸長】で、似たことをしたからです。

 

 

別件で、生きている実感や喜びを、「いのちがふくらむ」とか「生き生き 生きる」等と印象的な短い言葉でまとめるのもよかったなと思います。

それを教師が胸のうちに持った上で、子どもたちの言葉から引き出せたらなと思います。

集約って奥深いですね。

2年21「ながいながいつうがくろ」【伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度】

18~20は、公開授業に関係して、11月にします。

 

【伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度】は、3年部が今度の公開授業で取り組むところであり、先日講師を招いて校内研修を行ったところなので、自分もそれを生かして気合を入れて取り組もうと思っていました。

具体的には、「A その1時間で郷土のよさに気付く」のではなく、

「B① 郷土観、ふるさと観の再構築」

「B② 郷土のよさを見つけていこうとする態度の大切さに気付く」

ということをめざそうと思ったのです。

 

しかし、この教材文を読むと、通学路で見つけたすてきなもの、人のことをたくさん書いた児童作文がもとになっており、

上記B①のようなねらいで行うことは難しい、それよりも、生活科や登下校のことを想起しながら自分の通学路のことを具体的に考えた方が、児童の学習への参加率が高まり、B②のねらいにも迫れるのでは、と考えました。

 

 

導入T 皆さんは自分の町(○○町、○○市)のよいところ、すてきを、いくつ思いつきますか。(指で示す。つぶやく)

C …0個が半数、1~2個が半数

T 今日は「町のすてきを見つける」というテーマです。

春に学習した「ひかり小学校のじまんはね」では、何のすてきを見つけた?(教室後ろの「道徳コーナー」を見ながら)

C 学校!

T 今回はちょっと似ているけれど、「この学校」ではなくて、「この町」のすてき見つけだよ。

 

読み聞かせしながら黒板に挿絵をはっていく。

 

T この主人公「ぼく」はこんなに見つけたね。これらをグループ分けすることができそうだね。このあたりは人。このあたりは?

C 自然! もの! (板書)

T 春夏秋冬は、自然だし、季節のうつりかわりだね。

 

主発問T では、みなさんの通学路はどうですか?

…ワークシートにも板書と同じように、

上段に主人公の通学路のよさ(挿絵)があり、下段に自分の通学路のよさを書き込むようにしました。

上の「人」「もの」「場所」「自然」などと対応させて想起できるようにしたのです。

 

少し発表させて、その後各自が考えて、さらに発表で追加させて…

田舎ならでは。「山」「田んぼ」「畑」「川」「魚」「すっぽん」「いのしし」「しか」「竹」「栗」!!

そして、「おじいさん」「犬の散歩をしている人」「警察官」「いっしょに通学してくれるおばさん」「交通安全のおじいさん」「○○さんのおばあちゃん」「高校生」「中学生」などなど、でましたでました!!

教科書と同じ「ベンチ」「あいさつ」も。

子どもたちから「工場や店はあまりない」などの声が出て、「場所」が出にくかったので、教師が「神社は?」「幼稚園は?」と言うと、納得していました。

 

全員発表に近かったと思います。

教科書教材文との比較のおかげです。

 

T 初めは「町のすてき」について半分の人が0個と言っていたけれど、

今日みんなで30個以上見つけたね!!!

「町の『すてき』は、探せば見つかる」ということかな。

今日はこれを「道徳コーナー」に書こうね。

 

振り返りは「思ったこと、気づいたこと」としました。

近くにたくさんよさがあるんだな 建物も人もあった

こんなにもあった 等が多く見られました。

中には「この町はとても平和だと思いました」という言葉も。

それもよさだと気付かされました。

また、市の周辺部に比べて、高校も中学も保育園幼稚園も企業も駅も病院もある、それだけ田舎なりにいろいろな人がいるというよさにも気付かされました。

 

反省としては、「季節の移り変わりを感じるものは?」

「こんなにすてきがあるのになぜ私達は最初『ない』と言っていたのだろうね。」

と聞きたかったこと、

振り返りも発表させて価値付けしたかったけれど、時間がなくなったことです。

 

時間マネジメント、最大の課題。

終了5分前には振り返りを書き、見取り、数人に発表させて価値付けることを繰り返し、児童の振り返りの力をのばしたいです。

「○○さんの~~という意見ではっとした」とか、「この1時間でこれに気づいた」という進化、深化のメタ認知と、

 

そして、毎時間行っている、☆♡の振り返り

☆マーク(いろいろ聞いて考えた)…物事を多面的・多角的に考える

♡マーク(自分はどうか考えた)…自己を見つめる、自己の生き方についての考えを深める

の振り返りをどの子もできるようにしなければと思います。

わくわくと危機感を抱いて。。。

公開授業まであと1ヶ月余りです!

最近の関心 ツイートから2020秋 もうすっかり秋~

ついにかけ算 九九学習に突入しました!

九九そのもののですが、自作動画に、子どもたちは興味津津!

質問がありすぎて、20分くらい学活にして質疑応答しました。

アニメーションの作り方、仕組みについて初めて知った様子!

図工で今度、アニメーション作ってみようかな!!(本気)


九九の歌「5のだんレンジャー」 オリジナルソング 5の段 自作 LEGO レゴ

 

2年「きいろいベンチ」【規則の尊重】

これまでの学習の足跡、「道徳コーナー」の活用の手応えをまた一つ得た一時間でした。

 

そして、有名なこの教材文、あえて王道発問ではないもので行ってみました。

そちらでも手応えを得ました。

 王道主発問「最後に二人がハッとした時、どんなことを思ったのでしょう。」

これだと、「謝りに行こう」という意見が出るでしょう。問い返しで「何を謝りに行くの?」「どう謝るの?」と問えば、「靴でベンチに登ったこと」「汚したこと」「汚してそのままにしておいたこと」「他の人のことを考えなかったこと」等、価値に迫る言葉が引き出せますが、

私としては、それは生活場面でよく言うことですし、子どもたちにとっては割とすぐ想像できることではないかなと考えまして、

それよりは、教材文を生かしてもう一歩踏み込んで話し合いたい、新たな発見になることを、と思ったのです。

例えば、「何かに夢中になると、他の人のことや、きまりを守ることを忘れてしまいがち」ということや、

「他の人が実際にいない場合は一層気付きにくい」こと、

「そこにいない他の人のことを考えられるようになりたい」ということを引き出したいと思ったのです。

 

導入

T みんなで使うもの、みんなのものってどんなものがある?

C  遊具 給食 トイレ ベンチ 電車 空港 

教科書(みんなが同じものをもっているから「みんなで使うもの」だけど、一人ひとりに自分のものがあるから、それは「自分のもの」。「自分だけのものではないもの」は?)

地球 空気 学校(手洗い場、グランド、教室) お店 山 道

 

 …たくさ~んあるんだね!

(T これらに「きまり」ってある?どんなきまりがあるかな?

 C 公園にゴミをすてない。 ボール禁止の公園がある。 

   滑り台は下から上らない。

 T なるほど。きまりもたくさ~んあるね。これらのきまりを守っている?

 C 自信ある(半数) まあまあ(少し) いいえ(少し)

 T そもそも、これらのきまりって、どうしてあるのかな。

 C 人の迷惑にならないように。危なくないように。)

 

改善案

「きまりを守ること」は今回は言わずに、「大切に使うこと」に焦点化した方がシンプルだったと思います。きまりというよりマナーに近いところがありますし、

( )内のやりとりはない方が、時間配分の改善になったと思います。例えば「これらを正しく使っている?」「正しく使うって、どのように使うこと?」と問う。

 

T なるほど、これがキーワードだね。では、今日の授業で、これらをもっと深めてみんなで何か発見しよう。

 

読み聞かせ

 

展開

T 2人はどんなことを思ってベンチの上に乗ったのだろう。

C うれしい! 楽しい! もっと飛ばしたい!

 高いところから遠くに飛ばそう!  

 やっと雨が上がった!遊ぼう! 

 

T 役割演技をしてみよう。

C(たくさんの挙手!)2人が演技「わーい!」

T (役割演技した子に)どんなこと思っていた?

C 楽しいな~! もっとよく飛ばしたい!

T (役割演技せずに、見ていた子に)見ていてどんなことを思った?

C ベンチが泥だらけなのになあ。

T・・・そうか、周りから見ていたらそれがわかりやすいんだね。

だけど、2人には分からなかった。

 

T そして、小さい子のスカートが汚れてしまったんだよね…

中心発問T どうして、こんなことになったのだろう。ワークシートに書く。

 

C 遠くに飛ばしたくて「夢中」になっていたから。

 雨上がりで、やっと遊べて夢中だったから。

 夢中になって、雨上がりで泥だらけなのを忘れていたから。

 後で人が座ると思わなかったから。

  

 揺さぶりT でも、普通は座る前に汚れてると気付いてふいたりするでしょう。おうちの人が早く気付いてふけばよかったのでは?おばあちゃんが先に気づかなかったせいもあるのでは?

C いや、それはない! 他の人のことを考えていなかった2人がいけない!

T なるほど。

 

抽象化・一般化T 

「みんなでつかうものを大切にする、それに早く気付けるための『こつ』は何なのだろう」

 

C おうちの人についてきてもらう。

T どうですか?  

C いや、自分で気づいた方がいい!!

T どうして?

C いつでもおうちの人についてきてもらうのは無理。

T みんなは、自分で気付ける人になりたいんだね。

 

C 夢中にならない。

T でも、夢中にならないって、できるかな?遊びたいときはだれだって夢中になりそうだよね。私も。そうすればいいのだろう…

 

C よいか、悪いかを、自分の頭で考える。

T なるほど

 

C 落ち着く。

T どういうことかな?

C 深呼吸して、冷静になる。

T そうすれば、さっきの「よいか悪いか考える」ができやすいんだね。

 

C 他の人がいたら気付きやすいんだけど・・・

T どうですか? C うなずき

T なるほど、他の人が周りにいれば、「これをするとあの人が困るな」と気付きやすいんだね!

 

揺さぶりT …でも、例えばこの辺りの公園では、他の人がいない場合の方が多いよね。どうする?

(「他の人がいなくても、後から他の人が困らないかを考える」を引き出したかったが、できなかった。)

 

終末 振り返り

T 他の人が使うことを考えることが大切と分かったけど、これから先、すぐに気付くことが難しい時があるかもしれないよね。その時の自分へ、「自分へのメッセージ」を書こう。

(C …初めての活動で、意味が分からない子もちらほら。補足説明。)

時間不足で未実施

 

T 「今日の『道徳コーナー』に何と書こうか。今日の授業でみんなで発見したことって、何かな。」

C 夢中になったら気付きにくいから、落ち着いて考える。

T 落ち着いて、人がいなくても他の人のことを考えて使えるようになりたいね。

 

 

中間休みに、何人かの子が寄ってきて、ワークシートを見せながら話してくれました。

ある子は『道徳コーナー』の掲示を指差して、

「4月の『自分でオッケー』の【自分でできることを増やす】に似ているよ」 と教えてくれました。

「本当だ!」「自分で気付くことが増えるといいよね!」

と他の子と盛り上がりました。

すると他の子が、

「『わすれられないえがお』とも似ているよ。【よいと思ったことをする】だから。」

「悪い心に負けずに、よいことをするってこと」

と言い出しました。

そして、帰りの会の「今日のキラリ」の時間に、その子が「〇〇さんが、今日道徳で勉強したことが『自分でオッケー』の勉強と似ていることに気付いて、すごいと思いました。」と発言しました。

 

…子どもたちはすごいですね。

『道徳コーナー』の掲示を続けて足跡を残していき、時折それとのつながりを意識して学習すると、

それを見て、自分でつながりを見つけていくのですね!!

 

私の方が、関連価値について気付かされた日でした。

 

授業始めにみんなで内容項目(テーマ)を確認し、それについての振り返りをすれば、

「内容項目、ねらいがブレる」と心配する必要はなく、

むしろ、関連づけて多角的に考えることができる。

 

 

 

追伸 

ワークシートに「そもそも椅子は座るもの」という意見を書いている子もいました。

もし授業でその意見を拾って取り上げることができたら、こう問い返してみたいです。

→ ならば、この椅子にも、掲示物を貼る時でも乗らない方がいいのかな。

割り箸や輪ゴムは工作のためのものではないから、工作に使わない方がいいのかな?

 …いや、そういうことではないなあ。 ではどういう時ならいいのかな。

 …本当の使い方をきちんと考えて、他の人が困らないか考えて使えばいい。

  ちゃんと靴を脱いで少しだけ上るのはいい 等

  

 

追伸2

 

これを書いた後で、下の記事を見つけ、読みました。

2つは、坂本先生の実践記録です。

「きいろいベンチ」で規範意識

「きいろいベンチ」授業後の反省事項

 坂本先生でも、飛び込み授業で苦戦されることがあるのだなあと、ある意味勇気をいただきました。そして、こういう反省も惜しみなくネットに掲載されるところが実践化たる所以だと思いました。

また、ねらい「はっとした二人の男の子の気持ちを話し合うことを通して、他人への迷惑が想像できる人になることの大切さに気付き、みんなが使う物を大切にしようとする態度を養う。」が特に参考になりました。

 

もうひとつは、ツイッターやブログでいつも学ばせていただいている、キッシュ先生のこちらです。同じ2年の、同じ内容項目です。

ここが特に参考になりました。

おじさんの過去も踏まえると、過去に見た子どもと、今の目の前の子どもの様子を比べて、「マナーを知って、守ろうとしている様子」に気持ちよくなっているとも言える 

 

・マナーを守ろうとする心は、見ている人に伝わる。

eight-eight.xyz

note.com

 

 追記3

今思えば、「ベンチが汚れたことに気付いていなかった」という筋で授業を進めたけれど、

「ベンチが汚れる、土足はまずい、と分かっていたけれど、楽しくてついそんなことはどうでもよくなってしまった」、その方が自然ですね。

そもそも、汚れる、汚れないに関わらず、土足でベンチの上に上がるのはマナー違反。

 そのあたりをもう少し突っ込んで話してみたかったです。

2年「森のともだち」【友情、信頼】

1学期に同じ内容項目の「ともだちやもんな ぼくら」で学習したことを、「道徳コーナー」の掲示物を見て想起させてからのスタート。

「前は、『見捨てない』『さらに仲良くなれる』ということに気付いたね。今日はみんなでどんなことに気づけるかな」

 

ここで驚いたのが、その授業にいなかった友達にあらすじを教えようと、ある子が「こんなお話だったんよ~」と全部話したこと。

ストーリーにインパクトがあれば、脳裏に焼き付くのですね。

 

T こんきちはどうして森の動物たちを追いかけ回したのだろうね

C 本当は仲良くなりたかったんだよ 等

 

T こんきちがおおかみに襲われた時、動物たちは相談したね。どんな相談をしたのだろう。(ワークシートに書く。4人でどうぶつたちになりきって相談してみる。)

C 助けなきゃ!  かわいそう 死んでしまうかも

  こんきちはわるいことしてないのに

   どうやったら助けられるかな みんなで囲もう!

    助けたいけど、こわいよ どうしよう

   ←→ いじわるしてきたから、助けなくてもいいんじゃない?

いつものように、左の赤丸、右の青丸(合体させるとハート型♡)に板書。

グルーピング。

 

問い返しT 青丸の中に「助けたいけどこわい」と、「助けなくていい」の2つがあるけど、みんなはどちらの気持ちが強いと思う?

C 「助けなくていい」

(吟味のために発問しました。有効さはいかほどか…)

 

T中心発問 最後に、こんきちはなぜ泣いたのだろう。

吹き出しに書く。)

C 自分だけ逃げて、なさけない。

  自分のせいで、うさぎさんにケガを負わせてしまった。

  こんな自分なのに(嫌なことしたのに、)助けてくれて

  なんていい人たちなんだ ありがとう

   ごめんよ 今までいじわるしてきて

  (逃げたことだけでなくこれまでのことも反省したんだね)

  ・・・

T 振り返り あなたには、このどうぶつたちのような気持ちがあったかな

 見捨てない気持ち たすけあう気持ち 傷つけない気持ちがあった

 これからはどうぶつたちのようになりたい

 これからもいじわるをしない

 なかった

(この振り返りの問い方では書きづらい子もいました。「友達と助け合えたこと」等にしぼって問う方法もあったなと思います。) 

 

T 今日の授業でみんなが気付いたことは?

C 見捨てない

C 1学期と同じ!

T そうだね。けれど、もっと深まったことはなんだろう

 

T 前は仲のいい友達同士を助ける話、今回はいじわるしてくる友達を助ける話だね

C …どんな友達でも見捨てない!

T それって、難しいけど、すごいよね。そのおかげで、こんきちは反省したんだよね。

(…終末って、難しい。まだまだ修行が必要です。)

 

道徳コーナーの掲示物に書いた言葉は、

【「友達のよさ」に気づかせてくれた友達】です。

 

 

2年15「ひろいせかいのたくさんの人たちと」【国際理解、国際親善】東京書籍

まず、題名の続きを考えてワークシートに書いてみました。

T「ひろいせかいのたくさんの人たちと・・・」

C「遊びたい」「なかよくなりたい」「なかよくしよう」「なかよくする」

「話したい」

 

そして、指導要領解説には「この段階においては、発達段階から、身の回りの事物が自国の文化なのか他国の文化なのかを区別することは難しい」と書いてあるしそれに賛成なのですが、指導書の導入が

「他の国から伝わってきたものにはどんなものがありますか」となっていたので、

変えました。

 

T 外国に行ったことがある?

T 外国の人で、友達はいる? 知り合いはいる?

・・・しかし、この代案も今回は必要なかったと反省です。

 

読み聞かせしながら写真をはっていくと、それだけで子どもたちはわくわくしている様子でした。「同じ!」「似てる!」「変な形!」など。特にエスカルゴのところで「え~~!」

 

主発問T 日本のものと違っていた? 似ていた?

C 違っていた!!  え、でも、似ていたよ。 

T 日本の遊びと、ほかの国の遊びで、『違うところ』と『似ているところ』を見つけてみよう。

 

たこの形は違うけれど、たこ揚げという遊び自体は似ている。

こまも、じゃんけんもそう。

 

T では、「食べ物」ではどうかな?

 

C カタツムリを食べる!!!違う!!!気持ち悪い~

T 食べたことある人? …私だけ手を挙げた。

C え~~~!

T でも、長府のショッピングセンターの1階にあるイタリアンレストランに、売っているよ。  すんごくおいしかったよ。

C そうなんだ!

 

T ところで、カタツムリを食べるというのは日本ではあまり聞かないから『違い』の方に書くけど、本当に気持ち悪いのかな?

C …そうでもないかも。食べてみたい。  私は食べたくない。等

T 『似ている』ところもあるのでは?

C …日本ではバッタを食べるよ。  こういう貝なら(サザエ)食べるよ。

 

トルティーヤは「食べたことない」けど「似ている」という声が多数。

フォーは給食で出たことがある話、米の粉って先生も知らなかった話 等。

 

世界では手で食べる人が一番多いという話では、「ぼくらも手で食べる時があるよ」「見たい」「食べたい」等の声が。

 

 

T はじめにほとんどの人が題名の続きに「遊びたい」「なかよくしたい」と書いていたけれど、どうやったらそうなれるのかな。そのこつは?

今日の授業の中から見つけてみよう。

C 出てきた遊びを一緒にしてみる。

 それぞれの料理を一緒に食べる。

 日本のことを教えてあげる。

 話をする。あいさつをする。おもしろいことをする。

 

T 道徳コーナーには何を書こうか。

C 今のまとめ

T 先生は「『ちがう』けど『似ている』」ということに気づいたよ。

 これも書こう。

この学校には何人も外国人の先生が来られるし、今度オリンピックもあるから、いろんな国のすてきを知りたいなと思います。

 

 

振り返りは漠然と「感想」としました。「○○を食べたい」「しゃべって仲良くしたい」「アメリカのたこで遊びたい」「○○を初めて知りました」等が見られました。

「ほかの国の人々や文化に親しもうとする心情を育てる」のねらいは達成できたと思いますが、欲を言うと「違うだけではなかった」等の、授業での変化や抽象化一般化したものが出て、それを価値付けられるとよいと思いました。