2年23「さるへいと立てふだ」【正直、誠実】
またも時間不足になりました。深く反省です。
そして、同僚の実践「ネガティブな教材をポジティブな発問で」というものに感化され、それでは今回は、「ポジティブ教材を、あえてネガティブな発問で」扱い比較して、うそをつかないよさに向かわせたいと思い、そうしてみましたが、うまくいきませんでした。特に役割演技です。
ところで、内容項目研究として、自分なりに「嘘」について考えてみました。そして、嘘って、興味深いテーマだと改めて思いました。さすがはAの(2)。
★嘘って、なぜよくないのだろう。…自分の心が痛む(良心の呵責)、自分をもだますようで自分が嫌いになる、バレないか気になる、バレないために別の嘘をついてしまう、人から信じてもらえなくなる、嘘をつく癖がつく。「うそつきは泥棒のはじまり」ともいう。
★バレない嘘ならいいのだろうか。…良心が痛む。では、良心が痛まないならいいのか?…いや、そんな人が周りにあふれた世の中は困るし嫌だ…
それに、嘘ついた内容を忘れて結局バレがち。
★嘘って、よくないと分かっていてもなぜついてしまうのだろう。
…結局、先のこと(バレた時の大変さ)を考えるのは後回しにして、その場を乗り切ろうとしてしまうから?叱られたくない、独り占めしたい、嫌なことをさけたい、よく思われたい、悪く思われたくない、心配かけたくない等の気持ちに負けてしまう。
正直に言う勇気が出ない。
それに「バレないかもしれない」という気持ちになり、それに負けてしまう。
★嘘はどんなものでもいけないのだろうか。正直はどんなものでもよいのだろうか。
…そんなはずはない。何でも思ったとおりに言えば傷つく人もいる。それに、サプライズは喜ばせようとしてする隠し事。「うそも方便」という。
★「正直」と「素直」って、どう違う?
「嘘」と「ごまかし」は同じもの?
・・・こうやって考えるだけで、こんなに話は尽きません。
だから、導入が長くなるのは想定内でした。けれど、それなら他をもっとスリムに行わなければと反省です。
そして、本当は、嘘をついてしまう時の心「バレないかもしれない」という気持ちに向き合いたかったのですが、全くできませんでした。
導入 T 今日のテーマは【正直】だよ。正直ってどんなこと?
C うそをつかないこと
T 自分は正直だと思う人?
C (◎○△それぞれ3分の1ずつくらい)
T 先生も実は小さい頃はよく嘘をついていた。今でも覚えている。例えば、ほっぺにほくろができて嫌だったからかぎったらかさぶたになった。スイミングで誰かの手が当たったと嘘をついたらバレなかった。心配された。けれど、それが未だに頭の中にある。悪かったなという嫌な思い出。
T どんなことで正直になれない時があるか、言いにくいだろうけど、教えてくれる人?
C お母さんに、大丈夫じゃないのに大丈夫と言った。(心配させたくないから?!いきなり変化球)
C お母さんに、宿題終わっていないのに「終わった」と言う。(めんどうな気持ちから)
C お母さんに、壁が傷ついたのを、妹がしたと言った。 C 犬のせいにした。(叱られたくない気持ちから)
など
(「間違えたのに、赤で書き直さずに、鉛筆で書き直して丸にした」というような「ごまかし」も取り上げたかったが、出てこなかった。
改めて、「親」に対するものが多いのだと分かった。)
T 正直にできたことは?
C 宿題が終わっていないのを、お母さんに正直に言った。だって、すぐバレるから。
T なるほど、見ればすぐバレると分かるからだね。
C 怒られるから 嘘はつかない
C 「嘘はどろぼうの始まり」だから。
(ここからが長くなった!!!!)
C え?!どういうこと!?
T その言葉よく知ってるね!どういうことか分かる人!
C テレビで、泥棒が「犯人はあっちに行った」と嘘をついていたから
T それなら、「泥棒が嘘つきになった」になるよ。逆で、「嘘つきは泥棒になる」って…
C 嘘をついたら泥棒みたいに警察につかまるから
T 絶対警察につかまるとは限らないよ
C …?!?!?!
T 例えばね、「私、それよりかわいいの持ってるよ!」と嘘をついてしまって、今度見に行きたいと言い出して、「土日は用事がある」とまた嘘をついて、でも平日に来ると言い出して、どうにかしなきゃと思って・・・お母さんの財布からお金を盗んでしまったり、それでも足りずにお店のおもちゃを盗んでしまったり…泥棒になってしまった。」例えばそういうことだよ。
C なるほど~~~
T「さるへいが主人公です。さるへいの気持ちを後で聞くので、考えながら聞いてください。」読み聞かせ。
展開 T さるへいはどんなうそをついたか。
C これはしぶがき。食べられません。
C 「この木のもちぬしは さるへい」
T さるへいは どんな思いでそんな嘘をついたのだろう。
C たくさん食べたい!! 全部1人で食べたい!
T 「うそをついてはいけません」と誰かに書かれた時、どんなことを思ったかな
C だれだろう
C これって、あの猿3人が書いたんじゃない?!
C そうそう!! …話がそちらへ。
T ほんと? でも「だれが書いたかわかりません」って書いてあるよ。
C 気持ち悪い こわい(これを下側に板書する予定でしたが失念)
ちなみに、黒板は上に「うそをつかないよさ」、下に「うそをついた時の悪さ」(もしうそをついていたら)を書こうと思っていました。
T 赤いハート(よい心)の方はさるへいにはなかったのかな?
C あった。だって、他のさるにかきをあげたから。
C ばちが当たったね C そうそう
T ん?これってバチなのかな? 結局うそにならずにすんだから・・・
(うそをついてもバレても、うそをつかなくても、みんなで分けることになるのだが、流す。)
基本発問 T 結局うそにならずにすんだから、どんないいことがあったのだろう。
C 友達が増えた。
T にっこりだね。^^
中心発問 T では、もし、だれも立てふだに「うそをついてはいけません」と書かなかったら、どうなっていただろう。
まず他の猿3人の立場で考えてみよう。(役割演技)(挙手多数!交代しながら大盛りあがり。悪ノリな雰囲気にも…)
C うそつかないでよ
T 本当だよ
C だってその木を育てたところ見たことないもん
T 見てないだけだよ
(ここから、変わったことを言おう、面白いことを言おうという雰囲気になり・・・)
C 警察に訴えてやる! (C聴衆 この話の世界には警察おらんやろ!)
T 警察がいなくても、つまり、それだけ怒っているということだね(板書 ヽ(`Д´)ノ)
(渋柿なら、あなたも食べられないね。という意見はでなかったのでTが言った。
→「食べたら結局バレるよね!」)
T つまり、嘘でどんな悪いことがある?
C 嫌われる
振り返り 自分はどうかな?
最初に出たみたいに、これから、嘘はいけないと思っていてもつい嘘をついてしまいたくなることがあるかもしれないね。そんな時の自分に、「自分へのメッセージ」を書こう。
この形は2回めだったので、前回よりは書けた。が、やはり「意味が分からない」という子もいた。今回は図で説明した。しかし、未来の仮定の、しかも自分自身に書くのは、やはり難しいようだ。
「嘘をついてしまった時の自分へ」ならまだ書きやすいかもしれない。
時間が来て、肝心の交流ができませんでした。
・・・こう見てみると、思い通りにはいかなかったし、揺さぶり発問もできず、深まりは今一歩ですが、
子どもたちからいろいろなつぶやきが出て、やりとりは愉しくできました。
参加率も高く、全体的に楽しい雰囲気でした。寓話ですし、こういう授業もあってもいいのかもしれません。
最近は「なぜだろう」と考えさせる授業が多かったので。。。
2020/11/03追記
以前掲載した記事、
shochandoeeeesu.hatenablog.com
この中に、【正直】のことが、ねらいについての部分で書いてありました。
参考になります。
そして…発達段階的に中学生レベルのことを小学低・中学年でやりたいと思っていた自分がいるように思います。見直したいと思います。