多趣味おばちゃん 小学校教員のメモ

気が合う人、教育について語り合おうぞ!学習ソングも作曲中。

スクールポリス・スクールロイヤーを通して考えた

 

自分が意見した中の1つは、県や国が言う、例えば「勤務時間外の留守番電話設置」「登下校に関することを教員の業務ではないとすること」が、実質不可能であること(特に生徒指導の面で)でした。

 

改めて、生徒指導面での丁寧な対応が増々重要になっていること、それが勤務時間の増加につながっているのだと気づきました。

また、いくら「21世紀型能力の育成」「学力向上」「働き方改革」といっても、生徒指導上の問題が多発している学校やクラスではそれどころではないのだという思いは、どなたの心にもあると思います。

 

そんな折、たまたまこのツイートが目に止まりました。

(この本は私も持っています!)

 

ここで、「生徒・親」「教師」よりも「政治の責任」と出てきて、私はこれまでそんなことは考えたこともなかったので、早速「スクールポリス」について調べてみました。

 

なるほど!スクールポリスか!

大人だって、法や世間体が抑止力になっているのだ。これはアリだ!

 

・・・と思ったのですが、賛否両論です。

まあ、少し考えてみれば分かることですね、、、

 

blogs.yahoo.co.jp

(こちらはヤフーブログなので今年の末には見られなくなってしまうと思いますが…)

賛成意見

教師の中にも、スクール・ポリスの存在を歓迎する声は意外に多い。

 

昔の学校とは違って、ふてぶてしく、やりたい放題の子どもばかり。
親にも子どもがコントロールできない。授業中だって学ぶ気はなく妨害したいだけ。
そういう子どもの管理にエネルギーを使わせられて教えることに集中できないから
教えることに集中できるようにポリスがいる。

 

いかつい生徒が反抗的な態度で迫ってきたら教師だって身の危険を感じる。
実際、教室で撃たれて死んだ教師もいる。
身の心配をせずに教師が授業に集中できるにもポリスは必要。

反対意見

約30%はドラッグまたは飲酒がらみのチケットだというが
「武器の使用」理由が20%というスクール・ディストリクトもある。
その多くで「武器」とは「げんこつ」の意。

 

それに何より、一度逮捕されると、「問題児」として目をつけられ、
その影響から、昔なら教師が叱ったり親に電話すれば終わっていた程度のことが
将来監獄で過ごす人生へと子どもを方向づけてしまうこともある。

 また、発達障害を持つ子が補導され、刑務所を出るには更生プログラムを経なければならないが、障害のために不可能な内容であるということもあるらしい。

 

それに加え、警察の誤認による問題もある。

 

こちらの記事では高校でのギャングの暴走が描かれている。

このような環境であれば、治安維持のために警察も必要だと思う。

14歳以上は刑法も適用される年齢ですから。

www.manabinoba.com

 

こちらは賛成記事ですね。日本の高校生の問題例もでています。

proud-of-japan.blog.jp

 

そして、これを見つけた。一般社団法人、その名も「スクールポリス」です。

私立学校を中心にご活躍のようですね!

学校の風評被害防止など、警備以外の業務もあり、確かに需要がありそうです。

www.school-police.org

 

ここまできて、「そういえば、『スクールロイヤー』なら文科省も推進しているやん!」と気付いた私。

ja.wikipedia.org

この方は問題提起をされています。

gendai.ismedia.jp

法律の専門家である弁護士が、その専門知識・経験に基づき、①法的側面からのいじめの予防教育、②学校における法的相談への対応、③法令に基づく対応の実施状況の検証、をおこなう文科省平成30年度概算要求書より)。

 

文部科学省は、犯罪に該当するいじめ行為を早期に警察に通報する方針を掲げている。

2013年5月の通達は、「冷やかし、からかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言う」という行為は警察へ通報するべき脅迫罪や名誉棄損罪に該当すると例示している。

すると、冷やかし行為があった場合、スクールロイヤーは「警察へ通報するべき」と判断するべきことになる。しかし、これは教育的な解決とは程遠い。教師が生徒に向き合って積み重ねてきたことが、警察への通報によって崩れてしまう。

教師や学校への正当な不満が背景にあって、問題行動が生じていることもある。問題行動の原因を除去する努力が積み重ねられていたかも知れない。そうした事情を切り捨て、ただ生徒一人を悪者にして警察へ通報することは教育の場に相応しくない。

警察に通報されると、生徒は被疑者として扱われ、犯罪捜査として取り調べがおこなわれる。刑事政策的に処遇を決定する裁判手続が進むと、学校側が生徒に対して教育的に接する機会は失われてしまう。

そんな扱いを受けた生徒にとって、学校は再び戻って来れる場所、戻りたい場所になるだろうか。

このように、スクールロイヤーによって教育的配慮のない法律判断が下される危険性は否定できない。 

…これについては、程度によると思います。

加害者側にとって学校が戻れる場所、戻りたい場所にならないことがやむを得ないほど、心身の危機にさらされている被害者もいるわけですから。

これまであまりに学校の治外法権が強かった反省でしょう。

ウィキペディア記載、 日本弁護士連合会の意見書にもあるように、裁判になってから関わるのではなく、「トラブルの未然防止」でこそ真価が発揮されるものだと思います。

 

感想

 

・スクールポリスもスクールロイヤーも、安易に使うべきではない。けれどどこからが「安易でない」のか線引が難しい。

・子どもにも大人にも「法の知見」を与え、未然防止に役立てる必要は現場で非常に感じる。

教員がまず勉強することも大切であるし、

警察やスクールロイヤーなどの第三者が、「法」について語る機会を、積極的に取り入れてよいと思う。

その際に「こども六法」は大いに参考になる。

 

こども六法

こども六法

 

 

 

 

そして・・・いじめにしても、対教師暴力や問題行動にしても、

結局は、学校の閉鎖的な集団環境をそうでないものにしていく必要が根本的にある、という考えに舞い戻った次第だ。

 

教育の力 (講談社現代新書)

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「学校」をつくり直す (河出新書)

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公立学校内にいてこの改革を進めることはどこまでできるだろう・・・何年何十年かかるだろう・・・

杉並区、風越学園 等々、前例となって示してほしい!期待しています!