多趣味おばちゃん 小学校教員のメモ

気が合う人、教育について語り合おうぞ!学習ソングも作曲中。

持久走大会の代案を出そうよ!

 

大学で体研(保健体育研究室)所属だった私は、上記のようなことを授業で経験しました。ペース走です。

「指導要領の理念を実現するために、これからの体育ではこんな運動をしていくんだ」

20歳くらいの私はそう信じていました。

 

しかし…

現場は、どの小学校でも、旧来の持久走の練習、大会。

 

新学習指導要領 体育編によれば、

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_010.pdf

目標

 体育や保健の見方・考え方を働かせ,課題を見付け,その解決に向け
た学習過程を通して,心と体を一体として捉え,生涯にわたって心身の
健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力
次のとおり育成することを目指す。
(1) その特性に応じた各種の運動の行い方及び身近な生活における健
康・安全について理解するとともに,基本的な動きや技能を身に付け
るようにする。
(2) 運動や健康についての自己の課題を見付け,その解決に向けて思考
し判断するとともに,他者に伝える力を養う。
(3) 運動に親しむとともに健康の保持増進と体力の向上を目指し,楽し
く明るい生活を営む態度を養う。

(下線は筆者による)です。

なお、持久走は「走・跳の運動(遊び)」「陸上運動」ではなく、

「体つくり運動(遊び)」の中の

(1)のイの「体の動きを高める運動(遊び)」の中の、

(エ)動きを持続する能力を高めるための運動(遊び)

です。

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体育の内容の領域

例えば高学年のところにはこう書いてあります。P.126

 (エ) 動きを持続する能力を高めるための運動
動きを持続する能力を高めるための運動とは,一つの運動又は複数の運動を組み合わせて一定の時間続けて行ったり,一定の回数を反復して行ったりすることによって,動きを持続する能力を高めることをねらいとして行う運動である。
  [例示]
○ 時間やコースを決めて行う全身運動
・ 短なわ,長なわを用いての跳躍やエアロビクスなどの全身運動を続け
ること。
・ 無理のない速さで5~6分程度の持久走をすること。
・ 一定のコースに置かれた固定施設,器械・器具,変化のある地形など
を越えながらかけ足で移動するなどの運動を続けること。

◎ 運動が苦手な児童への配慮の例
・ 短なわや長なわを用いて跳び続けることが苦手な児童には,自分が得
意な跳び方で行い,自分に合ったペースで一定時間連続したり,中断し
ながらでも延べ回数を増やしたりするなどの配慮をする。
・ 一定の時間続けて走ることが苦手な児童には,自己のペースで無理の
ない速さで走り,段階的に課題を設定するよう助言したり,息をしっか
り吐くことや,腕をリズムよく振ることができやすくなるよう個別に言
葉がけをしたりするなどの配慮をする。
・ 一定の動きを繰り返しながら続けて行うことが苦手な児童には,リズ
ムに合わせて動くことができるようBGMを利用したり,ペアやグルー
プで一緒に動いたりすることができるようにするなどの配慮をする。

 

ちなみに、これまでの指導要領と大きく変わった訳ではありません。

・・・これらを読んでいて、

全員が同じ距離を競走して順位を出す大会の方法や、そのための練習としてそれを授業で繰り返す従来のスタイルは、

しっくり来ますか?!

全然合っていないでしょう。

 

確かに「タイムを縮める」ことは、他人ではなく自分との戦いであり、自己の課題の解決になるかもしれません。

でも、それなら、他にも方法があるでしょう。全員に競走を強要するのはいかがかと思うわけです。

 

同じようなことを思う人はたくさんいるはずなのに、

なぜ何十年も、いや百年以上も? ほぼ全国の学校でこのような方法が続いているのでしょう。

代案があれば変わるかも!!

と思って、図を描いてアップしてみました。

 

たたき台にしていただければ幸いです。