多趣味おばちゃん 小学校教員のメモ

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2年生道徳(東京書籍)4の教材研究「大すきなフルーツポンチ」 比較・吟味

4 「大すきな フルーツポンチ」【公正・公平・社会正義】

指導要領解説には「民主主義社会の基本である社会正義の実現に努め、…」「真実を見極める社会的な認識能力を高め、…」「人間の弱さを乗り越えて、自らが正義を愛する心を育むようにすることが不可欠…」と書いてあり、重みのある言葉が並んでいるなと感じましたが、決して大げさではなく大切な項目であると再認識したところです。

 

指導書の導入が「公平という言葉を知っていますか」だったので、

2年生1学期には難しいのでは?と思ったけれど、

教科書の主題名のところに書いてありました、「だれにでも こうへいに」と。

確かにこれをきっかけに語彙を広げながら本時の主題を掴ませるのもいいと思いました。

 

教科書右下の「はじめに」には「みんながうれしくなるのは、どのようにしたときでしょう。」と書かれています。この問いはどうでしょうか。

これだと(みんなで遊んだ時)とか(みんなと仲良くした時)とか(仲間はずれにしない時)とか、幅広い声が返ってきそうです。

「みんながうれしくなる」ようにしたい、というのが本時で気づかせたいことだと私は思うので、私は前者の導入にしようかなと思います。

 

みんなが大好きなフルーツポンチを配る役の「ぼく」。

♡以前の失敗を繰り返さぬよう、足りなくならないように気をつけながらよそい始める。

♥目の前にいる、仲良しの しゅんたさん には多くいれてあげたいと思った。

♡けれどその時、もしも足りなくなったらどうしよう、と思った。

♥そうだ、文句を言わないけんちゃんのをちょっと少なくしようと考えた。

そしてしゅんたさんの器にたくさん入れたのです。

 

よそう前、よそう間のたった数秒の間ですが、心が揺れ動いていることがよくわかります。これを視覚化したいです。

 

中心発問は指導書どおりでいくと「どうして『ぼく』はしゅんたさんにたくさん入れたのだろう」です。

「ぼくはどんなことを考えていたのだろう」という内側発問ではないけれど、内側に近いです。

ここで、表面的に教科書の記述をおさえるのではなくて、主体的に考え、しっかり共感して、人間理解が深まるようにするにはどうしたらいいのか…と悩んでいます。

 

今の所、「『ぼく』はあれだけ気をつけて配っていた。一生懸命ですごいよね。なのになぜ多くいれようとしたのだろう」「しかも一度『足りなくなったらどうしよう』と思ったのに、なぜやっぱり多く入れてしまったのだろう」と追加で問おうかと思います。

 

発問3の「(どうしてしゅんたさんのだけそんなに多いの、という)かおりさんの声を聞いた『ぼく』は、どんなことを考えただろう」では、主人公の気持ちを通して、個々人の考え、価値の高低入り混じった意見が出てくると思われます。

(バレた)(みんなに怒られる)(先生に怒られるかも)

(ごめんなさい)(やっぱり同じ量にしよう)

(ほかの人が嫌な気持ちになるな)

(仲良しだからって多くしたらいけないな)(みんなが笑顔になるように配りたい)

(しゅんたさんにも嫌な思いさせたかも)

(伝わってはいないけど、けんちゃんにも申し訳ないな)(けんちゃんにかわいそうなことをするところだった)←ここは結構大切だと思います。

・・・いえ、こんなに幅広く意見は出ないと思います。どうすれば出るのでしょうか。

 

「かおりさんの声を聞いて」ではなく、

教科書には書いていない場面を想像、創造して、

「その後、『ぼく』は大好きなフルーツポンチを食べる時も、えがおいっぱいにはなれませんでした。どんなことを考えていたのでしょう。」とするのはどうでしょうか。

「~~~。だって、~~~だから。」というように、理由も書くようにしたいと思います。

発問3の方が中心発問ですね。

 

そして悩みは続きます!

ここで意見を出し合うだけでも、多面的・多角的な見方につながるとは思いますが、

比較・吟味させてより深めたいのです。

参照↓

shochandoeeeesu.hatenablog.com

「似た意見はどれ?」と問い、グルーピング、ラベリングすることで整理できるとは思うのですが、それ以外ではどうでしょうか。

 

「一番納得したのはどれかな」「それはどうして?」

 

代案としては

「心から反省しているのはどれだろう」

「みんなのことを考えているのはどれだろう」

「多く入れた時に比べて、気持ちが一番変わったのはどれだろう」

でも、これらの言葉が子どもたちから出てくるほうがいいから、前者にします。

 

「だれにも公平にすることは、どんないいことがあるのか」という発問(価値理解)は、今回は上の発問に代えます。

 

振り返りは、私の好きなパターン「自分の中に『誰にも公平にする心』がありましたか。」例えば、給食、靴そろえチェック、配りもの、ペア・グループづくり、あいさつ、発表を次にする人の指名… 思いつかない子が多い場合は、みんなで出し合ってその中から選ぶようにします。

本当は、逆に、「公平にすることが難しかったこと」についても話し合ってみたいところですが、これは普段の生活場面の具体的な場面で考えていくことにします。

 

私自身はどうだろう…